横浜馬車道アートギャラリー(横浜市中区常磐町、TEL 045-662-3111)は12月21日から26日までの6日間、写真家・森日出夫さんの写真展「濱の記憶」を開催する。
森さんは横浜在住の写真家で、1970年代から横浜の港・街・人を「気になるもの」を「森の観測」のタイトルで撮り続けて発表している。1995年に白塗りの伝説的な娼婦「ハマのメリーさん」の写真集「YOKOHAMA PASS ハマのメリーさん」を刊行、2001年には第50回 横浜文化奨励賞を受賞した。今回の写真展では、「メリーさん」の写真を中心に、森さんが写した横浜の下町・港などの風景写真を、モノクロ・カラーを合わせ百数十点を展示する。
会場のギャラリーが入居するアート宝飾ビルは、映画「ヨコハマメリー」の舞台として登場する場所で、同展では、同ビルのトイレでメリーさんが眠っている写真や、建物前の椅子にメリーさんが座っている写真なども展示される。「トイレでメリーさんが寝ていると教えてくれたのは娘。女子トイレなので緊張した。メリーさんはベンチに座った時の脚の見え方や組み方がきれいで艶かしかったのが印象的」(森さん)。
同展はメリーさんが街からいなくなった12月23日に合わせて企画された。会場ではメリーさんが座っていた実際の椅子や写真集の展示のほか、「森の観測」のビデオ上映も行われる。森さんは「自分は街で失われていくものの『記録』はできないが、イメージを人の『記憶』として残しておきたい」と話している。開催時間は10時30分~18時。