6月9日から同17日まで、古代式の航海カヌー「ホクレア号」が横浜に入港するのを記念して、「ぷかりさん橋」(横浜市西区みなとみらい1)などでさまざまなイベントが開催される。主催は、ヨコハマ・シーサイド・フェスティバル連絡協議会(横浜市港湾局振興事業課内)。
「ホクレア号」は1975年に建造され、全長約19メートル、全幅約5.3メートルで2本のマストを持つ。ハワイ語で「幸せの星(Hokule'a)」と名付けられ、ハワイ、ニュージーランド、イースター島を頂点として結んだ約3,400万平方キロメートルの海域「ポリネシアン・トライアングル」をポリネシア人の祖先たちがカヌーで海図やコンパスを使わずに行き来し、太平洋に散在する島々に定住を始めたというポリネシア人起源・拡散説の科学的な立証を目的に当時の形状を模したもの。天体など周りに見える自然現象の法則から針路を定める伝統的な航海術「スターナビゲーション」によって針路を決定する。
今年1月にビッグ・アイランド(ハワイ島)を出発してミクロネシアの島々を経由し、沖縄(糸満)、熊本(宇土)、福岡、山口(周防大島)、広島、長崎、愛媛(宇和島)を経て横浜に寄港する。
イベントは、ぷかりさん橋で9日11時に同船の入港(予定)を迎え、12時から入港式を予定しているほか、10日~17日には和太鼓によるパフォーマンスや「FUNEプロジェクト」の一環で、横浜開港150周年記念イベントプロデューサーの日比野克彦さんと市民が一緒に、ダンボールで「ホクレア号」をモチーフとしたFUNE(船)を作るワークショップや乗船見学会などを行う。
期間中、JICA横浜(中区新港2)やBankART Studio NYK(中区海岸通3)、大さん橋ホール(中区海岸通1)で映画「地球交響曲第三番」ナイノア・トンプソン編上映会やハワイ育ちの日本人歌手ChiyoTia(チヨティア)、夫婦デュオ「Half Moon」のライブ、ドーム型プラネタリウムを設置しての投影会などを行う。すべて入場無料。
同協議会担当者は「『ホクレア号』を通じてハワイとの友好を深めるとともに、自然に感謝する気持ちや共存を考えるきっかけになってほしい」と話している。