三菱地所は6月21日、今年12月竣工予定のMM33プロジェクトビル屋上(横浜市西区みなとみらい3)に世界最強の小型風力発電装置「10キロワット小型風車システム」を実験的に設置した。
同風車は、航空・宇宙機などの開発を主に行うジーエイチクラフト(静岡県御殿場市)が開発・製造した風力発電装置「10キロワットダクト付小型風車システム」で、「設置環境を選ばない発電施設」を目指し、市街地での風環境を分析する実験データ収集解析が目的で、首都圏では初めて設置された。
三菱地所の同プロジェクト担当者は「地上から見ることができるので、みなとみらいを訪れる方にも地球温暖化の改善につながる活動を実感してほしい。今後、実験データを基に発電電力の蓄積方法や活用法などを検討し、実用化に協力したい」と話している。
10キロワットダクト付小型風車システムは、ジーエイチクラフトがこれまでの風力発電機が持つ、騒音や発電量などの問題点を解消するため研究、開発したもの。高さ10メートルで、発電能力は10キロワット、年間発電量1万kWh(約3~4世帯分の年間電力使用量に相当)を見込んでいる。今年6月に中部国際空港プロロジスパークセントレア(愛知県常滑市)に初号機が設置された。