帆船「日本丸」(横浜市西区みなとみらい)で7月16日、海の日を祝って船舶の最高儀礼にあたる「登檣礼(とうしょうれい)」が実施される。
海の日を祝い毎年行われている同イベントは、訓練を受けたボランティア約50人が舳先(へさき)や帆桁(ヤード)、最も高いところで海上から約46メートルのロイヤルヤードの上に登って「海の日おめでとう!」と3度歓呼しながら帽子を振るもの。当日は、29枚すべての帆を広げる「総帆展帆(そうはんてんぱん)」や、国際信号旗をマストに連ねて飾る「満船飾(まんせんしょく)」も行う。そのほか、正午に「海の日」の認識を高めるため、横浜港に停泊する船が汽笛を一斉吹鳴する。日没後は「海の日イルミネーション」を行い、日本丸をカラフルにライトアップする予定。
日本丸の大西船長は「海に関わる者にとって、『海の日』は待望の記念日。ボランティアの方々は練習を重ねて当日に挑むので、来場される方も最後まで楽しんでもらいたい」と話している。
開催は10時から。荒天時中止。問い合わせは帆船日本丸記念財団(TEL 045-221-0280)まで。
「登檣礼」は16世紀末のイギリス海軍が皇族らの送迎、司令官や艦長の交代の際や、出征、遠洋航海など壮途に就く船に敬意を表する際、乗組員全員が甲板に整列することができず、帆桁の上に登ったことが始まりといわれ、礼式として行われるほか船の安全なども示す。日本では、1953年に当時の日本丸船長だった千葉宗雄さんが海外の海軍に学んで取り入れたのが最初。当時は日本の「エイ、エイ、オー」にあたる「ヒップ、ヒップ、フレー」というかけ声で行われ、現在ではそれぞれの行事に合わせて掛け声を変えている。