インド最大の企業グループ「TATA」の一員で自動車部品の設計開発などを手がける「タタオートコンプシステムズ(TACO)」は9月4日、横浜市中区に日本支社を開設した。
同社は、1995年に設立して世界に15の製造拠点と5つのエンジニアリングセンターを展開する総従業員=約1,200人、昨年の売上高=約116億円の企業で、神奈川県や横浜市、日本貿易振興機構「ジェトロ」が連携して誘致した。今後1年間は、国内自動車部品メーカーへ約20人の設計技術者を派遣して共同製品開発を行い、コストの安いインドで開発・製造を行うオフショアリングビジネスを主に展開。将来的には国内自動車部品メーカーと共同で設計開発センターの設置も検討しているという。今後、横浜市は同社からの助成制度の申請を受けて事務所賃料6カ月分(上限300万円)を援助する予定。
同支社のゴパル・シャラン・シン代表は「横浜にはインドの企業や学校が多数あるほか、交通の便もよい。東京のように混雑していないところも気に入った」と話している。
TATAグループは、鉄鋼や電気、IT関連などの7つのビジネス部門をもつインドでは民間最大の企業グループ。2005~06年の総収益はインドGDPの2.8%に相当する約220億ドルで、総従業員は世界各国に約24万人。