来年9月に開催される国際美術展覧会「横浜トリエンナーレ2008」の準備のために来日したキュレーター5人が11月19日、同展総合ディレクター・水沢勉さんとともに野田由美子副横浜市長を表敬訪問した。
「ときの裂け目」を意味する「タイムクレヴァス」を全体テーマとする同展は、世界各地から約70人の作家を選定し、横浜市内都心臨海部各所で最先端の現代美術(映像、インスタレーション、写真、絵画、彫刻など)を一堂に提示するもの。
今回、企画構成、アーティストの選定を行う5人のキュレーターが会場の視察や関連するシンポジウム参加のため来日し、横浜市役所を訪れた。キュレーターの1人、ハンス=ウルリッヒ・オブリストさん(ロンドン・サーペンタインギャラリー国際プロジェクト担当ディレクター)は「世界各所で開催されている国際美術展は同一化される傾向にあるが、横浜という場所に特定した展覧会を目指す。最終的には『ヨコハマミラクル』と呼べるものを創りたい」と抱負を語った。
3年に1度行われる「横浜トリエンナーレ」は、来年で3回目の開催となり、昨年は約19万人が来場したほか、「市民協働」のイベントとして1,222人のボランティアが広報や企画、運営などを担当した。来年の開催では約2,000人のボランティア参加が見込まれている。
野田副市長は「展覧会を通じて市民の地域社会関与へのきっかけになってほしい。150年前の開港にともない西洋の文化を取り入れ、近代化を語られることが多い横浜において、歴史的建造物を活用し、どのような形で『タイムクレヴァス』を表現するのか楽しみにしている」と期待を寄せた。
すでに活動を開始している同展覧会市民ボランティア「横浜トリエンナーレサーポーター」は、同展会場となる「新港ふ頭仮施設施設予定地」「横浜赤レンガ倉庫1号館」「BankART Studio NYK」を案内する「横浜トリエンナーレ2008ぐるり3会場ウオーク」の参加者を募集している。開催は12月8日13時~16時30分。参加無料で定員は100人。申し込みは同展サイトから。