横浜出身の写真家・山中順子さんによる奄美諸島の人々の暮らしを収めた写真展「永遠のマブライ」が5月3日より、ZAIM(横浜市中区日本大通)で開催される。
同展は、奄美諸島の人々を写すことで、現地の世界観を表現してきた中山さんの4回目の作品展。これまで都内で開催し、表情をとらえたメッセージ性のある作品が好評を得てきた。今回は展示だけでなく、ライブなどさまざなイベントも開催。「情報があふれる都会に住む人々の視覚や聴覚、嗅覚、触覚など五感に訴える空間で、奄美諸島の世界観を表現する」(山中さん)。
会場では、今回撮り下ろした最新作を含む8年間の作品群100点以上を展示。5月3日は「響き合い、円環する生命」をテーマに語りと舞踏を交えた津軽三味線の演奏「舞音語(マイネガタリ)」を、5月4日は奄美シマウタの唄者・朝崎郁恵さんのライブを、それぞれ開催。そのほか、期間中はカフェを設け、ギビ酢(サトウキビの酢)や生サトウキビジュースなどの奄美諸島の名産品を用意する。
山中さんが写真を撮り始めたのは、映像制作関連の職場で働いていた際、奄美諸島に仕事で訪れたのがきっかけだという。山中さんは「大地や海、森に親しみ、助け合いながら自然体で暮らす現地の人々の魅力に引きつけられた」と振り返る。「響き合い、円環する生命」をテーマとする今回の作品展については、「現地には自然の神々に守護され、導かれているという意味の『マブライ』という言葉があり、その言葉の持つ自然や他者へ感謝する心を感じてもらいたい」と話す。
現在、横浜を拠点に、1年のうち3カ月は奄美大島に滞在し創作活動を行っているという山中さん。「横浜は海から流れる風や、文化や人々が交じり合う世界感が奄美諸島に通じるものがある。私にとってどちらも居心地のいい場所。今回、日本大通りという歴史ある場所で、表現できることは貴重に思う」と話している。
開催時間は12時~21時。入場無料。