アートイベントを展開するアーティストグループ「アートラボ・オーバ」は9月6日、「帽子おじさんと街を歩く会」を開催する。個性的な帽子をかぶり横浜各所に出没する通称「帽子おじさん」と一緒に自作の帽子をかぶって街に繰り出そうというユニークな企画で、3回目の開催。
「帽子おじさん」(本名・宮間英次郎さん、1934年生まれ)は、10年ほど前から台座に照明器具のかさなどを利用し、マネキンや人形を装飾した派手な帽子をかぶっている。奇抜なスタイルで街を歩く姿はメディアなどで紹介され話題となった。近年では芸術の分野からも声がかかり、現在スイスローザンヌのアール・ブリュット美術館で「帽子おじさん」作の帽子が展示されているという。
イベントでは「アートラボ・オーバ」の活動拠点「13坪のアートセンター」(横浜市中区桜木町)でオリジナルの帽子を制作した後、秋葉原へ移動して街を歩く。今年4月に開催した1回目のイベントには「帽子おじさん」と直接話してみたいと10人ほどが集まったという。
「帽子おじさん」と一緒に帽子を作りたいと考えた「アートラボ・オーバ」の蔭山ヅルさんが本人に話しを持ちかけたのがイベント開催のきっかけで、「帽子おじさん」からは「帽子は誰でも作れるものだから、一緒に歩こう」と提案されたという。「実際にあるいてみると、周囲の知らない人同士に会話が生まれたりと、自分が街にちょっとした『事件』を起こしている感覚。ただ歩いているだけなのに、帽子をかぶることで何が変わるのか考えていきたい」と蔭山さんはただの仮装行列にはしたくないと思いを話す。また、「『帽子おじさん』は百貨店など混乱が起きそうな場所には立ち入らず、街の雰囲気を察知して、自分の立ち位置を保っている。そういったおじさんの人となりを感じることができるイベントにしたい」とも。
開催時間は13時~。参加費1,500円(飲食は自己負担)。