横浜産業貿易センター9階の会議場「横浜シンポジア」（横浜市中区山下町）で10月17日、横浜に来航したアメリカ大西洋艦隊「白船」の来航から100周年となることを記念してシンポジウムが開催される。主催は、当時艦隊を迎えた山下地区の関係者ら有志による「白船艦隊横浜来航100周年記念事業実行委員会」。

　「白船」は黒い船体を白く塗り替えた16隻の艦隊で、1908年10月18日に演習航海の途中で横浜に来航した。当時、日露戦争に勝利した日本は、満州での利権や太平洋での影響力などをめぐりアメリカとの対立を深めていた。そのため、白船の派遣はアメリカの海軍力を日本に誇示することが目的の一つで、欧米メディアでは日米開戦か、などと報じられていた。しかし、日本政府や横浜の市民が大歓迎で迎え、米国の世論は好転。日米双方の偏見も収まり交流が本格的に始まり、歴史的な出来事の一つとなっている。

　シンポジウムでは伊藤泉美さん（横浜開港資料館主任調査研究員）による歴史解説をはじめ、阿川尚之さん（慶応義塾大学総合政策学部長）が「日米海軍関係の150年」、簑原俊洋さん（神戸大学大学院法学研究科教授）が「アメリカから見た白船来航の背景」、高橋忠生さん（日産自動車取締役副会長）が「横浜と日本自動車産業史」などを解説するほか、パネルディスカッションを行う。

　開催時間は15時～17時。入場無料。問い合わせは、横浜観光コンベンション・ビューロー内同実行委員会事務局（TEL 045-221-2111）まで。