ホテルニューグランド5階のフランス料理「ル・ノルマンディ」で10月31日まで白船艦隊横浜来航100周年記念メニューを提供している。白船が来航した際、日本政府が宮邸で米大西洋艦隊をもてなした晩餐(ばんさん)メニューを再現したもの。
白船は、船体を白く塗った米大西洋艦隊で、1908年10月に世界一周航海の途中、横浜に寄港した。当時、日露戦争に勝利した日本は、満州での利権や太平洋での影響力などをめぐり、アメリカとの対立を深めており、白船の派遣は、日本にアメリカの海軍力を誇示し、軍事的圧力をかけることが一つの目的だったという。しかし、日本政府や横浜、東京の人々は大歓迎で迎え、両国の関係を好転させた歴史的な出来事の一つとなっている。
メニューはトマトをババロア状にしたものにタピオカとキャビアを添えたトマトスープや、 フランス古典料理でトリュフ、フォワグラ、鶏冠などを用いた料理「フォワグラのルクルス風」、トマトソース、パルメザンチーズが特徴の「アスパラガスのピエモンテ風」など。資料として残る当時のメニューをもとに、ル・ノルマンディ料理長の八巻和弘さんがレシピを再現した。
八巻さんは「特徴は装飾的な美しさと宴(うたげ)の華やかさを盛り上げる豪華な盛り付け。残っていた資料にはレシピがなく、辞書などを調べて作った。みなさんにも自分ならどう作るか想像しながら食べてもらえれば」と話す。
白船艦隊横浜来航100周年記念メニューはディナー(17時30分~21時)のみの提供。価格は14,700円。関連企画として同ホテル本館1階ロビーホールで11月3日まで、白船艦隊横浜来航を歓迎する新聞記事、切手、はがきなど、当時の歓迎ぶりを伝える資料を集めた白船艦隊横浜来航100周年記念企画展示「白船来航」も開催中。