東京芸術大学は1月17日より、横浜市の歴史的建造物を活用したアートスペース 「BankART Studio NYK」(横浜市中区海岸通3)と「ZAIM」(中区日本大通34)で、大学院、学部の3つの卒業・修了制作展を開催している。
表現の技法にとらわれず新しい発想で制作できる学生の養成教育を目的に、1994年に開設された大学院美術研究科先端芸術表現専攻の修了制作展「せんたんまる」は、港に面したBankART Studio NYK1階と2階が会場。大学院生による、写真・ドローイング・映像・プロジェクト型発表など多様な表現の作品を展示している。
3階では、2005年に映像を使った芸術表現、テクノロジーの融合、研究をめざし馬車道に開設した大学院映像研究科メディア映像専攻の、年次成果発表会「Media Practice 08-09」を開催。話す人間のしぐさに画像をのせた作品、映像と実物を組み合わせたインスタレーションや、横浜に由来する写真館を追った映像作品の上映などが行われている。
また、日本大通りのアートの拠点「ZAIM」では、先端芸術表現科の学生自らが企画・運営する卒業制作展「PROJECT the PROJECTORS」も開催。卒展のテーマを「camp」とし、絵画、インスタレーション、映像、写真、音楽、身体表現などの作品を1年をかけて準備し、年明けから会場に入り制作してきた。
先端芸術表現科助手の伊藤達矢さんは「毎年、大学生活の集大成として行なわれる先端芸術表現科の卒業・修了制作展は、学生自身が展覧会のプロデュースを行なっている。作品をつくる事だけでなく、展覧会を通して自分たちのメッセージを発信することに狙いがある。外に開かれてここから船出をしていく姿を是非ご覧頂けたら」と話す。
東京芸術大学の卒業・修了製作展示会期は いずれも25日まで。11時30分~19時。ZAIM会場の開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。
また、1月24日・25日には、同大学大学院映像研究科横浜校地馬車道校舎(中区本町4)で、メディアアーティストで映像研究科長を務める藤幡正樹さんを委員長とする実行委員会の主催で「ポケットフィルム・フェスティバル2009」が行われる。
会場の「BankART Studio NYK」は、床面積約3,000平方メートル規模のアートスペース。カフェ・ショップ・ライブラリー・工房・スタジオなどの複合施設で、これまで未使用だった3階と1階の一部を建築設計事務所「みかんぐみ」が改装し、1月9日にリニューアルオープンした。