横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3、TEL:045-221-0300)で3月20日、「金氏徹平:溶け出す都市、空白の森」展が開幕した。
金氏徹平(かねうじ・てっぺい)さんは1978年京都生まれの現代美術の作家。紙、流木、プラスチックの既製品などを集め作り上げて行くコラージュ手法や、白い樹脂でものを覆うインスタレーションなどで、「見たことのあるようでない」作品を作り出す。横浜では卓球をキーワードにつながる5人のアーティスト・ユニット「COUMA(コウマ)」として「横浜トリエンナーレ2005 アートサーカス『日常からの跳躍』」にも参加。
同展では白い樹脂の作品、塗り絵本や白地図のコラージュによる「White Discharge」シリーズ、プラスチックと石こうによるサイズが10メートルの巨大インスタレーションや、コーヒーが染みた紙のコラージュ作品「Muddy Stream from a Mug」シリーズ、初の試みのアニメーション作品の上映など、新作を中心とした約120点が並ぶ。今回の展示のために昨年11月から美術館内で滞在制作を続けてきた。
関連事業として、3月28日には金氏さんと「Laptop Orchestra」が即興的に作品と音楽を作り上げるパフォーマンス、4月19日には参加型のワークショップ、5月5日にはアーティスト・ユニット「COUMA」による「卓球大会」のほか、記念講演やギャラリートークなどが行われる。
また、横浜美術館の開館20周年を記念し、元町に本社がある「STAR JEWELRY」(中区元町1)とのコラボレートジュエリーを作成。金氏さんの樹脂作品のフォルムをモチーフにした「White Discharge A」(17,850円)と「White Discharge B」(19,950円)を4月28日から各30個限定発売する。
金氏さんは「私くらいのキャリアの作家が横浜美術館で展示できたことを光栄に思う。自分という小さな存在がこの大きな空間にどう向き合うか、どう響かせるかを考えました。今しかできない事が出来たと思う」と話す。
開館時間は10時~18時(金曜は20時まで、木曜日休館)。入場料は一般1,000円、大学・高校生700円、中学生400円、小学生以下無料。開催は5月27日まで。