TPTが港湾倉庫跡の劇場で舞台公演「醜い男」-日本初演

TPTによる「醜い男」©TPT/撮影:島田麻未

TPTによる「醜い男」©TPT/撮影:島田麻未

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 シアタープロジェクト・東京(TPT)がBankART Studio NYK(横浜市中区海岸通3)で演劇公演「醜い男」を上演している。

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 「醜い男」は、07年1月にベルリンの歴史ある劇場・シャウビューネで世界初演され、7月にはロンドン・ロイヤルコート劇場で話題となり、翌9月に再演された戯曲。99年に「新生シャウビューネ」の劇場専属作家となった若手の作家・マリウス・フォン・マイエルンブルクさんが手がけている。ストーリーは、ある男レッテが、自分の顔の醜悪さのあまり整形することから始まるブラックコメディ。横浜の港に面した倉庫を改修した会場で、美とアイデンティティについての現代の問題を深く掘り下げる。

 日本初演にあたり2008年春から、ドイツの演出家・トーマス・オリヴァー・ニーハウスさんによるワークショップを重てきた。醜い男・レッテ役に池下重大さん、ほか武田優子さん、小谷真一さん、田村元さんの出演。

 TPTは、英国人演出家デヴィッド・ルヴォーとプロデューサー門井均さんが「新しい日本の演劇の創造」を目指し展開する演劇活動団体。1993年から東京の隅田川付近の染色会社紅三の元染色工場ボイラー室を使った「ベニサン・ピット/ベニサン・スタジオ」を拠点としてきた。劇場は染め物業の紅三(東京都江東区)が、1985年に開設。こけら落としに坂東玉三郎さんの上演や、蜷川幸雄さん演出の公演などさまざまな演劇を生み出してきた空間だったが、ビル老朽化などにより今年1月25日に閉館している。

 TPTスタッフは「いくつかのご縁と、元々倉庫であったこの空間のパワーに圧倒され、共感し、このステージが実現しました。目がひんむかれるような脚本の雰囲気ともよく合っています。21世紀に発表、世界初演されたヨーロッパの最尖端のコンテンポラリー戯曲を、ぜひお楽しみください」と話す。

 会場は、BankART Studio NYKギャラリー3C。開演時間は14時、17時、18時30分、19時30分で、日によって異なる。開催は29日まで。チケットは全席指定=5,000円、学生=3,000円。

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