横浜都市発展記念館(横浜市中区日本大通12、TEL045-663-2424)で4月25日、幕末から戦後モダニズム期にかけて活躍した建築家とその作品を紹介する企画展「横浜建築家列伝」が始まった。
同展では、設計図面や建設時の写真や建築家が書いたスケッチを豊富に用いながら、横浜の都市形成の変遷を「横浜開港と居留地建築家たち」「モダンデザインの萌芽」「震災復興のデザイン」「建築家J.H.モーガンの世界」「成熟する建築様式」「戦災復興と戦後のモダニズム」の6つの時代に分けて紹介している。
山手の西洋館「ベーリックホール」を設計したJ.H.モーガンによる「ニューグランドホテル屋上の増築設計」では、検討された複数のデザイン案の図面を紹介。また村野藤吾による「横浜市市庁舎」では、他の設計事務所による複数のコンペ案の模型写真を展示している。
横浜は安政6年(1859年)の開港後、外国人居留地を中心に、洋風建築が建ちならぶ都市が形成された。多くの外国人建築家たちが活躍し、明治半ばには日本人建築家たちがそれに続いた。街並みは、関東大震災で失われるが、その後の復興を経て、昭和の戦前期には多彩な様式の建築群が登場。その後、第二次大戦による戦災の後、新しい世代の建築家たちによるモダニズム建築が普及していったという。
同館主任調査研究員の青木祐介さんは「企画段階で、ドラフトマン(製図工)だった方の親族から連絡をいただいたことで、ドイツ人建築家デラランデの事務所員たちの集合写真が新たに発見されました。外国人建築家の設計事務所の雰囲気を伝えるとても貴重な一枚」と話している。
関連企画として、展示物の解説会や、大倉山記念館での講演会や音楽会、6月2日にオープンする「象の鼻パーク」を訪れる「夏休みこどもウォーク」、山手234番館でのパネル展示もおこなわれる。
開催時間は9時30分~17時。8月30日まで。