アーティストや創作活動の支援、交流の場として5月1日、「ヨコハマ・クリエイティブシティ・センター(YCC)」が誕生する。
同センターは、2004年から今年3月末までの5年間「BankART1929 Yokohama」として、NPO法人BankART1929(バンカート)が運営していた歴史的建造物「旧第一銀行横浜支店」(横浜市中区本町6)を、横浜市開港150周年・創造都市事業本部と横浜市芸術文化振興財団が共同で運営するもの。
歴史的建造物の特性を活かし、人々が出会い、交流と創造が育まれる場となることを目指す。建物は、従来通りコンサートや展覧会の会場として使われるほか、2007年にアーティスト、クリエイター支援の目的を掲げてスタートした「アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)」を2階に設置。相談窓口業務のほか、クリエイティブシティとしての横浜を紹介する展示、ツアーの実施やマップ発行などを行う。
1階部分には、横浜から80キロメートル圏内の食材を80%使用するカフェレストラン「80*80」(はちまるはちまる、横浜市中区北仲通4)が運営するカフェ「YCC Cafe × 80*80」が設置される。
5月1日には開館記念フォーラム「今、創造と交流の時代を生きる」として、ヨコハマ・クリエイティブシティ・センター館長の加藤種男さん、横浜美術館館長の逢坂恵理子さん、大学評価・学位授与機構の田中弥生准教授、コトラボ合同会社代表の岡部友彦さんが参加する。
また5月31日まで、オープニングイベントとして、コンサート「ラテンジャズ・ナイト!」「横浜バロック室内合奏団」、創造界隈拠点「ZAIM」と黄金町で活動するアーティスト10人による作品展「創造界隈のアーティストたちvol.1」、横浜のアートシーンを紹介する「クリエイティブシティ・ヨコハマ展『キョテンセーゾロイ!』」、横浜のアートやクリエーティブの拠点を巡るツアーなどが行われる。
同財団の協働推進担当グループ長の菅原幸子さんは「オープニングの展示制作などからも、YCCにとって重要なパートナーである方々に協力頂いています。1Fでは黄金町、ZAIMを拠点とするアーティストが展示を、3階では、文化芸術の創造性を活かした街づくりに関して、本町ビルシゴカイなどで活動する『創造界隈』の方々に紹介いただきます。周辺の企業、教育施設とも連携して横浜をもり立てていく場所としていければ」と話している。
「旧第一銀行横浜支店」は、1929年築の古典主義様式の銀行で、2003年に横浜市歴史的建造物の認定を受けている。2003年2月に元の建物の外装や内観を忠実に再現し「横浜アイランドタワー」の低層部として運用されてきた。