みなとみらいのショートフィルム専門劇場「ブリリア ショートショート シアター」(横浜市西区みなとみらい5、TEL 045-633-2151)で7月4日、映画祭「ハマの蛙男祭り~蛙男商会5年間の軌跡~」を記念したトークショーが開催された。
最新作「京浜家族」のサラリーマンの悲哀を描いた5作品とインターネットテレビ「Gyao」で配信された蛙男商会初のサラリーマンシリーズ「部長ハシビロ耕作」6作品が上映された後、スペシャルトークショーを実施。
トークショーには、脚本・監督・キャラクターデザイン・声の出演をほぼ一人でこなすFROGMAN(フロッグマン)さん、同映画館の代表でありショートフィルムを日本に広めてきた別所哲也さん、マンガとアニメーションを中心に編集家として活動する京都精華大学マンガ学部の竹熊健太郎教授が登壇。
FROGMAN作品について、「アニメ史にもマンガ史にも入らない、評論家としては非常に困る存在だが、とにかく面白い。実写的発想で作った作品で、アニメの常識を超えている。味のある絵だし、声もいい。フラッシュだから作れるのではなくて、これはFROGMANさんだから作れる作品」と竹熊さん。別所さんは「ユーモアと笑いのセンス溢れる作品ばかりで、一度見たら忘れられない絵だ。ショートフィルムの良さはルールのないところだが、フラッシュアニメが、一人でも可能なデスクトップフィルムメーキングという点では同じ。ぜひ映画館で見知らぬ人と共に笑える、この感覚を味わってほしい」と感想を述べた。
FROGMANさんは、「元々アメリカの風刺物が好きで、僕の作品は基本会話劇。頭のひねりは作品の長さに関わらず同じで、短編だからかえってむずかしい奥深さもある。フラッシュアニメを始めてまだ5年だが、初期の作品は今見るとかなりちがう出来栄え。最近はいくらか洗練されてきたものもあるので、この5年間の過程を映画祭を通して楽しんでもらえれば嬉しい」。声優の話に質問が及ぶと「(現在住む)島根県に声優がいなかったから一人でやった」と答え、会場の笑いを誘う場面も。
ほかにも、フラッシュアニメのいろは、日本とアメリカアニメとの違い、コストパフォーマンスと作品の可能性など、ショートコンテンツの未来について熱いトークが繰り広げられた。
同映画祭のチケット=1,000円(各プログラム入替、特別プログラムのみ1,500円)。7月31日まで。
「蛙男商会」は、独特の脚本とギャグセンスで各界より注目を集めている。代表作は「秘密結社鷹の爪」「古墳ギャルのコフィー」など。初の劇場映画「秘密結社鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~」は、2008年ニューヨーク国際インディペンデント映画祭のアニメ部門で、作品賞と監督賞を受賞。「京浜家族」は、tvk(テレビ神奈川)で金曜24時から放映している。