横浜国立大学を代表校とした横浜周辺の6大学と、マンガ文化を核とするポップカルチャー事業の展開を目指す京都精華大学は2010年4月、複数の大学によるサテライト教室を持つ「横浜文化創造都市スクール(通称・北仲スクール)」を開校する。
同事業にはほかに、東京芸術大学、横浜市立大学、神奈川大学、関東学院大学、東海大学が参加し、「都市文化創成」と「都市デザイン」の2部門で、街づくり、美術、映像、演劇、音楽、マンガ、出版などのイベントの企画・運営を教育課程に組み込んだ、ワークショップ型の実践教育を行い「文化芸術創造都市の担い手」育成に取り組んでいく。
9月15日には、横浜市保土ケ谷区の横浜国立大学で、各大学の学長らが参加して調印式が行われ、横浜国立大学の鈴木邦雄学長があいさつし、同大学教育人間科学部の室井尚教授が事業の概要を説明した。
事業は、文部科学省による国公私立大学間の積極的な連携と、地域と一体となった人材育成の推進などを目的とする「大学教育のための戦略的大学連携支援プログラム」の採択事業。
横浜市の文化芸術創造都市(クリエイティブシティ・ヨコハマ)事業と連携し、「横浜トリエンナーレ」「ヨコハマ国際映像祭」「黄金町バザール」「横浜美術館」「BankART Studio NYK」などの、横浜のさまざまな文化事業や機関との恊働による具体的な都市文化創成や都市デザイン事業の実践や、「アーバンアート論」「映像文化論」「アーバンポップ論」「都市デザイン論」「都市空間創成論」「ランドスケープ論」などの講義などにより、人材を継続的に養成していく。
7大学の学生は授業で単位を取得できるほか、他の大学生や一般市民も体系的に受講することにより、スクールが独自に発行する「文化創造都市エクスパート」の修了認定を受けることができる。
講師陣は、室井尚・梅本洋一・大里俊晴・清田友則・榑沼範久・彦江智弘(横浜国大)、鈴木伸治・国吉直行(横浜市大)、堀越謙三・黒沢清(東京芸大)、曽我部昌史(神奈川大)、中津秀之(関東学院大)、水島久光(東海大)、島本浣(京都精華大学)のほか、ワークショップにはプロフェッショナルとして活躍する各界の第一人者を講師に迎えていく予定。
「北仲スクール」は、1926年に「横浜生糸検査所附属倉庫事務所」として建てられた横浜市文化財指定を受けている歴史的建造物(横浜市中区北仲通5)を活用して、10月1日にプレオープン。開校までの半年間に、さまざまな企画を行っていくという。
建物は、2005年6月~2006年10月まで「北仲BRICK」として、アーティスト、建築家、デザイナーなどの創造活動の拠点として利用されていた。