ジャック&ベティで中越大震災後の山古志村を追ったドキュメンタリー

©「1000年の山古志」製作委員会

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 「シネマ・ジャック&ベティ」(横浜市中区若葉町3、TEL 045-243-9800)で10月10日より、ドキュメンタリー映画「1000年の山古志 中越大震災と闘った小さな村の物語」が公開されている。

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 「1000年の山古志」は、新潟県中越大震災直後から、新潟県旧山古志村住民の4年に及ぶ復興を描いた120分の記録映画。監督は、震災直前に山古志村で手掘りトンネル・中山隧道の記録映画「掘るまいか」を手掛けた橋本信一さん。橋本さんは、村人の「生きるチカラ」を描きたいと、中越大震災を基点とする同映画を企画。作品を通して、人間の根源的テーマとも言える「ふるさと」「ムラ」に迫る。

 フィルムは、山古志村(現長岡市)を舞台に2004年10月23日に勃発した中越大地震から始まり、仮死状態になった村の惨状、全村避難を強いられた住民たちの人生の選択など、「山古志へは、もう永久に帰れないかもしれない」と思った人々の精神的な苦悩、復活までの道のりが丁寧に綴られている。

 11日に行われた舞台挨拶で、橋本監督は「山古志と1から関わってきた10年間。山古志に家を借り、農作業を手伝ったり、地元の祭りに参加したりと、土地の人のような生活を送り、撮影時間より復興作業を手伝う時間の方が長かった。カメラを回していることが村人に『復活するんだ』という勇気を与え、わたしたちスタッフもそんな姿に逆に勇気をもらった。この作品は単に復興を描いた作品ではなく、村の深さ、人間力を描きたかった。村人が厳しい困難を乗り越えてでも帰りたいと思う『村』『ふるさと』とは何か。この土地で千年にわたり継承されているもの、大地に根を張って生きる人々の根底にあるものとは何か、その答えを探しながら撮影した。言葉にするのは難しいので、映画を見てそれぞれが感じてほしい」と語った。

 シネマ・ジャック&ベティの梶原俊幸支配人は「映画の題材はもちろん山古志村ですが、このドキュメンタリーは日本人の根源に迫り、社会問題が多数存在する現代社会に何が必要なのか、どこに希望が持てるのかを提示している気がします。中越大震災が起きてから5年後の今、この映画をご覧いただいて、いろいろなことを感じ取ってほしい」と話す。

 上映時間は、10時~12時10分。チケットは、一般1,500円(前売り1,200円)、大高1,200円、小中シニア1,000円。上映は11月6日まで。

 また、日本新聞博物館(中区日本大通11)では、企画展「心をひとつ ふるさと復興展~新潟県中越地震から5年」を開催している。「中越地震」(2004年)と「中越沖地震」(2007年)、2つの大波に翻弄された新潟県と県民の姿や、現在まで続く復興への軌跡を、地域新聞「新潟日報」や写真などからたどる。写真は、川口町和南津の道路に描かれた「物資を求める住民の書いた文字」、山古志村で撮影された「取り残された犬が倒壊した家屋の前で悲しくほえた」作品など。会場は、2階企画展示室。11月29日まで。

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