12月4日に多摩美術大学芸術学科建畠ゼミがBankART1929 Yokohamaで開催したシンポジウム企画「横浜会議2004-なぜ国際展か?-」にて、第2回横浜トリエンナーレディレクターの磯崎新氏が横浜トリエンナーレ2005への考えを表明した。同会議ではパネリストである北川フラム氏、南條史生氏、長谷川祐子氏、岡部あおみ氏がそれぞれ自らが関わった国際展のレポートを行った後、磯崎氏が横浜トリエンナーレ2005の企画内容「World Atlas of Contemporary Art」について説明を行った。磯崎氏はキュレーターを選定せずに、ファンド・建築家・アーティストの3者がコラボレーションする形で作品をつくる方針を表明、出展を依頼している48のプロジェクトを発表した。磯崎氏は、この企画に対して世界各国のアーティストから好反応が返ってきているが、来年の開催にはほとんどのプロジェクトが間に合わないため、横浜市側に対し、来年は見送り再来年に開催する提案を行っていたことを明らかにした。それに対し、聴衆席にて拝見していた横浜市文化芸術都市創造事業本部トリエンナーレ担当部長の石原敏明氏は、来年の開催を条件に検討していると横浜市側の態度を表明。会議後半のディスカッションは横浜トリエンナーレ2005についての討議になり、磯崎氏は来年に開催可能な企画として考えた代替案「緊急企画 IMAGINE or Imaginaire de L'homme」を説明。6つの「テマティック・アイコン」をテーマにした展覧会について説明したが、同案についてまだ横浜市側からの明確な反応がないことを明らかにした。ディスカッションで、第1回横浜トリエンナーレアーティスティックディレクターの南條氏は、「現代美術の国際展が増えるなかで、世界のアーティストやファンドを呼び込むためにどうやって横浜の特徴を出していくのかが課題」と述べた。また、越後妻有アートトリエンナーレ総合ディレクターの北川氏は、「建物の中に作品を展示するのではなく、街づくりの中で成果を出すしか横浜でやる意味はない。誰が何のためにやるのかを明確にしなければ迷走は続く」と述べた。横浜会議2004-なぜ国際展か?-