「シネマ・ジャック & ベティ」(横浜市中区若葉町3、TEL 045-243-9800)で、バングラデシュのストリートチルドレンの現実を描いた映画「アリ地獄のような街」が上映されている。
同作品は、農村での生活を捨てバングラデシュの大都市ダッカへとやってきた少年が、路上生活をしているうちに大人たちに利用され、ダッカの闇の生活に落ちていくストーリー。逃れることができないアリ地獄のような現地の子ども達の現実の姿を描いている。
映画を製作したのは、バングラデシュでストリートチルドレンの支援活動を行うNGO「エクマットラ」。監督は、同団体代表で多数のドキュメンタリー映画を手掛けるシュボシシュ・ロイさん。
公開初日は、同映画を制作した横浜出身のエクマットラ共同創設者・渡辺大樹さんによる舞台挨拶がおこなわれ、渡辺さんは「4年がかりで完成させたこの映画を日本の劇場で公開することができて本当に嬉しく思う。一人でも多くの方にこうした現実や問題を知ってもらい、何かの行動のきっかけになることを心から願う」と語った。
舞台挨拶は11月14日、20日にも行われる。映画の収益は、エクマットラが建設中のストリートチルドレンのための自立支援センター「エクマットラアカデミー」の建設資金に充てられる。
チケットは、一般1,600円・学生1,300円・小中シニア1,000円。11月20日まで。
「エクマットラ」は、青空教室やシェルターホームの運営などストリートチルドレンに対する支援と、映画制作などのメディアを通じた啓発活動を行う民間活動団体。渡辺さんとシュボシシュさんらが中心となり、経済的、社会的格差が大きいバングラデシュでその格差の間に架け橋をかけたいとの思いから、「エク(ひとつの)マットラ(皆が共有する線)」と名付け2004年に共同創設した。
同映画の配給を行うのは、NGO・NPOへの募金のポータルサイト「イーココロ!」を運営するユナイテッドピープル(中区本町1)で、今回が映画配給事業第一弾となる。現在、自主上映の主催者および講演・上映を希望する学校などを募集している。