横浜赤レンガ倉庫1号館2階（横浜市中区新港1）で、1月6日よりアーティスト蒲原元さんの絵画個展2010「MUSEUM」が開催されている。

　「MUSEUM」は、画家の蒲原さんが3～4年の間に描きためた新作を含む絵画個展。油彩画を中心とした人物、風景、抽象画など約60点を展示する。タイトルの「ミュージアム」には今までの集大成という意味が込められており、会場は流れる時間と空気感ごと気持ち良く味わえる美術館のような空間に仕上がっている。

　作品は、1番目に展示された2010年1月3日20時39分に手掛けた「今、いちばん描きたい色と形 渾身の一筆」をはじめ、「沼地の養女」「屋上の風」「Black Coffee」「伝えなければならないこと」「肉食獣トマを手懐ける少女」「朱の国へ」「カガミ」「翻る登山家」「Moment Scale」など。

　そのほか、「スケッチ、デッサン…あるいは僕の爪垢」コーナー、「絵の声を大切にしたい」という思いから生まれた「今回 完成まで辿り着かなかったものたち」と記されたコーナーも。フロアには、絵画とともに布人形やオブジェが展示され、下書きなどの構想なしで筆をもつ蒲原さんの制作風景を記録した30分のライブペインティング映像も流す。

　蒲原さんは「このせわしない御時世ですが、絵を真正面からこつこつやっている珍しい画家です。10年以上続けてこられて、ようやくその集大成を公開しようと思い立ちました。本来、完成途中のスケッチを公開することはとても恥ずかしいことですが、そういったものも今回勇気を出して飾りました。作品を通して僕という人間が伝わると思います」と話す。

　開催時間は11時～19時（最終日は17時まで）。入場無料。1月11日まで。

　蒲原さんは、1995年よりフランスに7年間留学。独学で絵画を日々模索しており、毎年、東京、横浜を中心に個展を開催する傍ら、デザインや挿絵、ライブなどでも活動している。