横浜美術館レクチャーホール(横浜市西区みなとみらい3、TEL 045-221-0300)で劇団WANDERING PARTYによる「total eclipse トータル・エクリプス」が1月16日、17日に公演される。
同演劇は、2007年に京都で初演され、日本演出家協会主催の「若手演出家コンクール2007」最終審査を兼ねた2008年の東京公演では最優秀賞を受賞をした。また昨年12月から横浜美術館で開催している現代美術家、束芋さんによる「束芋:断面の世代」(横浜美術館開館20周年記念展)のテーマの着想の原点ともなっている。
内容は1985年に戦後最大の詐欺商法の首謀者とされている豊田商事会長の刺殺事件をめぐり、そこに居合わせたマスコミの実際の証言、刺殺された会長の半生をモチーフに、現在と過去が交錯し展開していくもの。今回はWANDERING PARTYと束芋さんがコラボレーションし、公演会場のエントランス部分に束芋さんの最新映像を導入し、2008年の東京公演を再演する。
横浜美術館の学芸員の木村絵理子さんは「束芋さんが『断面の世代』に着想するきっかけとなった作品です。2007年の初演時、束芋さんは32歳、そしてこの公演のモチーフとなった豊田商事会長も刺殺されたとき32歳。この世代の『身近な視点を重視』『個を大切にする』といった感覚を表現されているところは今回の公演、本展に通じたものがあります。そのほか本展では未公開の新作インスタレーション『輪郭線』をロビーで特別にご覧いただけます」と話している。
公演日時はA公演は1月16日14時~、B公演は1月16日18時30分~、C公演1月17日14時~。前売券3,000円、当日券3,200円。いずれのチケットにも「束芋:断面の世代」入場券がセットされている。
WANDERING PARTYは京都を拠点に活動する劇団で「芸術と娯楽は同義である」をテーマに、娯楽、芸術、批評が渾然一体となった演劇を目指している。
束芋さんは2001年の第1回横浜トリエンナーレで最年少の作家として出品。以後、2002年にサンパウロ・ビエンナーレ、2006年にシドニー・ビエンナーレ、2007年にヴェネチア・ビエンナーレなど数々の国際展やグループ展に出品を続け、日本を代表する現代美術家の一人として注目を集めている。