横浜美術館で世界遺産「ポンペイ展」-古代ローマ文明の奇跡

《アキレスとキローン》フレスコ125.0×127.0cmエルコラーノ後1世紀半ばナポリ国立考古学博物館蔵© Luciano Pedicini / Archivio dell’Arte

《アキレスとキローン》フレスコ125.0×127.0cmエルコラーノ後1世紀半ばナポリ国立考古学博物館蔵© Luciano Pedicini / Archivio dell’Arte

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 横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3) で、古代ローマの記憶をたどる「ポンペイ展 世界遺産 古代ローマ文明の奇跡」が開催されている。

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 同展覧会では、古代ローマの人々の美に囲まれた「暮らし」を、ナポリ国立考古学博物館の全面的な協力のもと、信仰・娯楽・生産活動・饗宴・憩いといった観点から、ポンペイからの出土品を中心に、日本初公開を含む壁画、彫刻、工芸品、日用品など約250点を紹介している。

 内容は、家々を飾った色鮮やかなフレスコ画をはじめ、イタリア国外へは初出品となる約60点の銀食器群、彩色ガラスや水晶製品、客間に置かれていた青銅や家の中庭に飾られていた大理石の彫刻。日本で初公開となる、ポンペイの郊外にある別荘から出土した浴槽および給湯システムなど、当時のテクノロジーが提供しうる「快適さ」を表すものまで。そのほか、宝飾品、彫像、剣闘士の武具などを通じ、初期帝政時代ローマの日常生活のさまざまな断面を再現する。

 また、1993年から京都の古代学研究所(当時)のポンペイ調査チームが発掘した噴火犠牲者の型取りや遺品を併せて展示し、噴火時の状況を伝える。

 関連イベントとして、4月10日は浅香正さん(同志社大学名誉教授、本展総合監修者)による記念講演会「ポンペイの産業と交易」。5月1日にフレスコ画家の大野彩さんを迎えた記念トーク「技法から観るヨーロッパ・アジアのフレスコ画-ポンペイの『赤磨き』を中心に」を実施。会場はいずれも横浜美術館レクチャーホール(定員先着240人、聴講無料)。

 横浜美術館学芸員の内山淳子さんは「贅沢、快適さ、美を追求し、生きることを楽しんだ古代ローマの人々の姿を、まざまざと浮かび上がらせる展覧会です。本展の見所のひとつともいえる個人用の大理石製の浴槽と給湯・追い焚きのシステムからは、当時の富裕者層の暮らしぶりを感じていただけます」と話している。

 開館時間は10時~18時(金曜、4月29日~5月5日は20時まで)、木曜休館(4月29日は開館)。入場料は一般1,400円、大学・高校生1,100円、中学生800円、小学生以下無料。展示は6月13日まで。

 同展は今年1月より福岡を皮切りに国内5会場を巡回する。横浜展のあと、名古屋展、新潟展、仙台展とつづく。

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