BankART Studio NYK(横浜市中区海岸道3)で、台北のアーティスト周 育正(チョウ ユウチェン)さんによる「Residency Goods展」が開催されている。
同展は、横浜市と台北市が行っている「アーティスト交流プログラム」で、今年2月から横浜に滞在して作品制作を続けてきた周さんの滞在成果を発表する作品展。
周さんは、1976年台北生まれのアーティストで、国立台湾芸術大学を卒業後、パリに移住し、メディアアートやグラフィックなどの創作活動を行ってきた。これまでに台北、パリ、サンフランシスコなどで個展を行っている。
周さんは、横浜でレジデンスアーティストとして滞在中の思考を作品として一冊の本にまとめた。同展では、本の展示のほか、アーティストという立場についての考えや、横浜での生活で感じた言葉やグラフィックを3台のプロジェクターと2台のMACのモニター映像で表現している。
同展について周さんは「これまで政治的なメッセージをこめた作品を多く作ってきたが、今回は日常生活をテーマとした。本という作品形態は、レジデンスアーティストとしての活動の『レポート』のようなもの。自分がアーティストとして横浜で『日常的に生活して生きている』事を表現した。BankARTと台北国際芸術村の交流事業の中で、展覧会を見た方がさらに大きな想像力と可能性を見いだすことができれば」と話す。
展示時間は11時30分から19時。入場料無料。4月25日まで。
横浜市は芸術分野で国際的な実績を持つ台北市との間で「芸術家交流事業」を2005年から実施しており、それぞれの都市から派遣されたアーティストが、異文化の中で現地の市民らと交流を深めながら創作活動を行っている。
2009年度は、横浜からは井出賢嗣さんが派遣され台北国際芸術村で活動している。2008年度はチン・ワンリンさんと川瀬浩介さん、2007年度はホー・ミンクェイさんと村田峰紀さん、2006年度はライ・ペイユさんと東野哲史さん、2005年度はチン・イェンイさんとOff Nibroll(高橋啓祐さん・矢内原美邦さん)が交換派遣されている。