横浜開港資料館(横浜市中区日本大通3)で、2010サッカースペシャル・ミニ展示「横浜サッカー事始めとW.ヘーグ」が公開されている。
幕末の明治期、横浜山手に駐屯していたイギリス軍は余暇としてサッカーを楽しみ、横浜では居留外国人とのサッカー交流試合が行われていた。そして、1866年1月26日、英国陸軍第20連隊のブラウント大尉の呼びかけにより、外国人居留地127番地(現山下町127番地)のラケット・コートで、横浜フットボール・クラブの設立発起会が開催された。
同展示では、当時の新聞記事や写真パネルを通して、明治期の横浜のサッカー事情をはじめ、横浜外国人墓地に眠る、日本サッカーの発展に寄与したW.ヘーグ(ウイリアム・ヘーグ)の業績を紹介する。
主な展示は、横浜フットボール・クラブ設立発起会の開催を報じる「英字新聞記事」、1923年9月1日、横浜イギリス総領事館(現横浜開港資料館)の執務中に関東大震災で亡くなったW.ヘーグの関係資料、横浜開港資料館旧館1階ホールに置かれる関東大震災の犠牲者(イギリス総領事館関係者)の名前を刻んだ「メモリアル・プレート」。
そのほか、神戸対抗戦に出場した横浜・クリケット&アスレティック・クラブの選手「ヨコハマ・イレブン」の記念写真(1907年、横浜公園)、国際サッカー連盟(FIFA)が主催するサッカーの世界選手権「2010年FIFAワールドカップ 南アフリカ」に出場している中村俊輔選手(横浜F・マリノス所属)のスパイクなど。
横浜開港資料館の主任調査研究員の伊藤泉美さんは「横浜もののはじめは、アイスクリームだけではありません。フットボールが日本で最初に行われたのも、横浜山手の丘でした。会場となる横浜開港資料館旧館はコリント様式のレトロな建物です。横浜散歩のついでに是非お越しください」と話している。
会場は横浜開港資料館・旧館記念ホール。入場無料。開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館(月曜日が祝日の場合は翌日)。展示は6月30日まで。