横浜ユニオン教会(横浜市中区山下町66)で9月11日、ピアニスト・アーチスト寒川晶子さんの「未知になるとき」ピアノコンサートが開催される。
寒川さんは2008年より若い世代の音楽家の活動を支援する企画「21世紀を担う新鋭たちの響き」を展開するトーキョーワンダーサイト主催のもと、「なるとき」シリーズと題して「音楽になるとき」「虚像になるとき」「夢になるとき」というテーマでコンサートを実施してきた。
今回はシリーズ4回目の公演として自身がプロデュースし、タイトル「未知になるとき」のもと、使用する2台のピアノのうち1台の全鍵盤を特別に「ド」に調律して演奏する。
予定曲は、バッハ作曲平均律曲集第1巻よりNo.2 プレリュード(c moll)、モーツァルト作曲ソナタ曲集よりK.V.545 (Cdur)、ショパン作曲練習曲集より12の練習曲Op.10No.5「黒鍵」、一柳慧作曲 「ピアノメディア」。特殊調律によるピアノと通常のピアノを楽曲にあわせて操る。
「いつも空想旅行をしながら作品を創るんです」と話す寒川さんは会場について、「この教会に初めて訪れたとき、天窓から差し込む自然光の移ろいに気づき、空と室内の一体化を感じた。コンサートでは自然な光と人間が集う『場』が作る音楽をみてみたい」とコメント。
開演してから日の入りを迎えるまで、ピアノ・ソロのパフォーマンスや即興演奏を中心に音を紡ぎ、最後は夕日の沈んでゆく経過とともに技巧的かつ機械的な作品「ピアノメディア」を演奏するという。
寒川さんは「今回のコンサートは『未知との遭遇』。特に『響き』を追求し、どれひとつとっても同じものはない『音』がみなさんの心に『響く』よう全身全霊でパフォーマンスします。88鍵あるピアノの鍵盤の音全てをドの音に調律し直して演奏するので、『ド』しか鳴らないピアノが鳴らす、一音の幅の深みと衝撃をぜひお楽しみください」と話している。
開催時間は16時~18時(15時30分開場)。チケットは前売2,000円、当日2,500円。予約・問合せは制作協力・マルメロ(Tel 03-5627-7583)まで。
寒川さんは横浜在住の27歳。2005年にフェリス女学院大学音楽学部をピアノ専攻で卒業。神奈川県民ホール主催の「アートコンプレックス」や金沢21世紀美術館主催の公演、三重県立美術館主催の公演などに多数参加し、現代音楽の演奏活動も実施。「場」との関わりを楽しみ、アート作品の中でのピアノパフォーマンスなど総合的な芸術活動を行っている。