東京藝術大学大学院・横浜校地馬車道校舎(横浜市中区本町4)で9月16日から20日まで、東京藝術大学大学院映像研究科の上映会「OPEN THEATER 2010」が開催される。
OPEN THEATER(オープンシアター)は、同大学が毎年行っている学外向けイベント。今年はこれまで発表してきた映画専攻に、メディア映像専攻、アニメーション専攻が加わり、初の3専攻合同の上映となる。
主な上映作品は、映画専攻=「ZERO NOIR」(伊藤丈紘)、「Passion」(濱口竜介)、「八咫鏡」(十文字香菜子)、「イエローキッド」(真利子哲也)、「A Bao A Qu」(加藤直輝)、「愛の生活」(鈴木宏)。メディア映像(セレクトプログラム)=「壁・部屋 - 破れのなかのできごと」「机上のゆくえ」「机上の岸にて」(越田乃梨子)、「NIGHT LESS」(田村友一郎)。
「アニメーション専攻」1期生終了作品集=「四ッ谷いろは」(安西奈々)、「強迫的な秩序についてのカエル」(永迫志乃)、「わからないブタ」(和田淳)、2期生1年次作品集=「くちゃお」(奥田昌輝)、「うわの空からかえってくる」(渋田直彰)ほか。
期間中はトークイベントとして、「藤幡正樹×東京藝大アニメーション」(19日)、「加藤直樹×黒沢清教授」(20日)を実施。19日は、メディアアーティストの藤幡正樹さん(同大学映像研究科長)とアニメーション専攻第1期修了生・和田淳さんらがアニメーションの魅力や課題について、20日は、映画専攻第1期修了生・加藤直樹さんと在学中指導にあたった黒沢教授、松田広子プロデューサーが対談を行う。
黒沢教授は「これは本当に1年後期長編課題の作品なのか。ちょっと信じられない。劇的であると同時に自然でもある俳優たちの芝居の老獪(ろうかい)さ、一見単純にみえて実は何重にも層をなしている絶妙な美術、そして反射と陰影が交錯する映像の濃密さはどうだ。学生がどうしたといったレベルを遥かに超え、日本映画という規格からも完全に自由な、堂々たる世界映画の一本が突如誕生してしまった」と話している。
開催時間は平日13時~21時、土曜・日曜・祝日11時~21時15分。入場無料。
東京藝術大学大学院映像研究科は2005年、学部を持たない独立大学院として映画専攻が発足。2006年にメディア映像専攻を設置、2008年にアニメー ション専攻が設立された。アニメーション専攻では、革新的なアニメーション表現や新たな教育・研究や事業スキームの創造を目指し、「つくる」ことを主体としたカリキュラムを実践している。