横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3)は開館記念日となる11月3日、ポッドキャストによる音声番組「ヨコビで見つけた人たち」の配信を開始した。
同番組のコンセプトは「横浜美術館で見つけた」アートに関わる人たちへのインタビューを通して、「アートをもっと身近に感じてもらう」こと。隔月でゲストを迎え、作品や技法そのものではなく、アートになじみがない「普通の人」の目線でアートに携わる人の「パーソナリティー」にフォーカスし、アーティストのほかにも「アートを日常に落とし込んでいる人」「日常にアートがある人」などをゲストに迎えていくという。
横浜在住で、ポッドキャストを活用したマーケティングサービス「KIQTAS(キクタス)」を展開する元新聞記者の早川洋平さんがレポーターとプロデューサーをつとめる。企画制作は、同館の教育普及講座「美術に親しむ、美術を考える」横浜美術館塾。
第1回目のシリーズとなる11月のゲストは、横浜美術館主席学芸員で「横浜トリエンナーレ2011」チーフ・キュレーターの天野太郎さん。3日より、毎週水曜日に4回連続で新番組を配信する。初回の番組タイトルは「天野さん、アートのココがさっぱり分かりません」。
天野氏に続く第2回は1月の配信。栃木県那須塩原市の温泉宿に現代アートを取り入れている室井俊二さん(板室温泉 大黒屋 当主)をゲストに招く。第2回以降の配信でも、天野太郎さんが冒頭でリスナーからの質問に答える「教えて、天野さん!」コーナーを設けるという。
自身が「アートは食わず嫌いだった」という早川さんは、「『アートをもっと日常に感じてもらう』番組をつくりたいと思いました。これまでの美術系媒体はアート専門の聞き手が、アーティストにインタビューするものが中心。読者の多くは『美術関係者』『アートの知識が豊富・関心が高い人』だと感じたんです。番組をいちばん聴いてもらいたいのは、アートに興味があるものの、何となくハードルが高そうと敬遠してしまっている人。登場するゲストのパーソナリティーに興味を持ち、そこからアートと美術館に関心を持ってもらえれば」と話す。
番組では、質問を寄せたリスナーに抽選で同館特製の「みなとみらい線 一日乗車券」があたるキャンペーンや、横浜美術館カフェ小倉山の割引クーポンの配信も行っている。
番組は、同館特設ページとiTunes Storeから聴取、ダウンロードができる。料金は無料。