中区・日本大通りのイチョウ並木が1月18日、横浜市初の「景観重要樹木」に指定された。
景観重要樹木は、地域の良好な景観の形成に重要である樹木を指定し、樹木の維持保全を義務付ける景観法に基づく制度。全国15市町村で指定されているが(2010年12月1日時点)、横浜市では初めての指定となる。
横浜市第1号の景観重要樹木は、日本大通り沿いのイチョウ並木65本。毎年美しく紅葉し、横浜を代表する景観スポットとして市民に親しまれている。樹木所有者である横浜市は、シンボルとなっている沿道のイチョウ並木を将来にわたって保全するため、景観法に基づく景観重要樹木として指定した。
日本大通りは1865年の大火災を契機に、日本人街と外国人居留地を区分する防火帯を兼ねた街路として計画し、整備された全長約430メートルの道路。1879年に外国人技師ブラントンの設計による近代的街路として完成した。1929年の関東大震災後の震災復興整備完成の頃にイチョウが植えられ、2002年に歩道拡幅再整備が終了した。
沿道には神奈川県庁本庁舎や横浜情報文化センター(旧横浜商工奨励館)などの歴史的建造物が集積し、開港以来の歴史をしのばせる街路景観を形成している。2009年には横浜開港の地に「象の鼻パーク」がオープンし、海を臨む象の鼻地区へ一直線に延びる見通しのよい並木道となった。
横浜市都市整備局都市デザイン室 担当係長の河野学峰さんは、「素晴らしい景観スポットが横浜にあることを県外の方にも伝えてゆきたい。景観重要樹木の指定をきっかけに、日常的な憩いのスポットの景観の大切さや、樹木の存在する景観を守る重要さに目を向けていただければ」と話す。