ヨコハマ創造都市センター(横浜市中区本町6)で2月3日より、「ヨコハマ・フォトマーケット」が開催されている。
写真文化が息づく横浜で、「一家に一枚」の写真を勧めるアートイベント。横浜を舞台にした撮り下ろし作品や、新進気鋭の若手作家の作品を展示・販売し、個人が現代作家の写真作品をコレクションする機会を創出する。
同イベントは国際的な総合写真イベント「フォト・ヨコハマ2011」の一環で、アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)が創造産業による地域活性化を目的に、アーティスト、ギャラリスト、コレクターのネットワーク構築を図る実験的な事業として開催する。
会場は3コーナーで構成。「Special Exhibition:YOKOHAMA」は3人の作家(鈴木理策さん、北野謙さん、緒方範人さん)による横浜に関連した作品展示、「YOKOHAMA OPEN PORTFOLIO REVIEW展+THE DARKROOM EDITION」では、1月に行われたヨコハマフォトフェスティバル プレイベント2011のポートフォリオレビュー参加者と、レンタル暗室の運営などを手がけるNPO法人 ザ・ダークルーム・インターナショナルを利用する写真家の中から選抜した作家15人の作品を展示・販売する。
「PH4+ Photo Exhibition」では、フォトコレクティングの会「PH4+」が、東京の写真ギャラリーP.G.I.、G/P gallery、MEMより若手日本人作家を中心とした作品群を展示・販売する。
3日のオープニングレセプションには、出品作家と多くの写真ファンが出席。モノクロシリーズ「溶游する都市/Flow and Fusion」、カラーランドスケープシリーズ「one day」と題して、新旧2つのアプローチによるランドスケープ作品を出品する北野謙さんは、「『one day』は2007年から制作しているシリーズで、『ある日のある場所の一日』というコンセプトのもと、世界のさまざまな場所の一日を、カラーネガフィルムを使用し、日の出から日没までを露光しています。今回展示する『one day』は、大黒ふ頭で撮影した出来立てほやほやの新作です」とコメント。
また、PH4+のメンバーである後藤繁雄さん(編集者、京都造形芸術大学教授)は、「若手作家の支援につながるイベントに参加できてうれしい。今後も継続的に開催し、横浜市民が横浜の写真をコレクションするような、地域に連動した動きが生まれることを期待しています」と語った。
会期中は、専門家が写真の新たな楽しみ方を提案するさまざまなレクチャーを開催。5日はアートフェア東京エグゼクティブ・ディレクター兼FEC代表の金島隆弘さんが「アジアにおけるアートマーケットについて」。6日は、フォト・ギャラリー・インターナショナルマネージャーの西丸雅之さんが「コレクションの額装/保存について」、横浜美術館主席学芸員の天野太郎さんとギャラリーパストレイズ主宰の井上和明さんが「美術館の写真コレクションについて」語る。
会場はヨコハマ創造都市センター1階ホール。開催時間は11時~19時。入場料は500円(高校生以下、学生証提示で無料)。イベントを含み、会期中何度でも再入場可。2月6日まで。