東京芸術大学馬車道校舎(横浜市中区本町4)で4月16日、フランス映画の上映会が行われる。
フランス政府の公式機関「日仏学院」の横浜日仏学院シネクラブによる映画会で、4月~6月は、特集「フランスのフィルム・ノワール」と題して3作品を上映する。
フィルム・ノワールは犯罪映画を指した総称で、1940~50年代にアメリカで製作された犯罪映画をフランスの批評家たちがフィルム・ノワールと命名したと言われている。フランスではアメリカで製作された犯罪映画に影響を受けて、1950~60年代にフィルム・ノワールが製作された。
16日は、ジャック・リヴェット監督の「北の橋」(1980年)を紹介。刑務所を出所したばかりの元テロリストとバイクに乗って町を徘徊する謎の女性バチストが、1980年初冬のパリをさまよう。出演者はビュル・オジエ、パスカル・オジエ、ジャン=フランソワ・ステヴナンほか。日本語字幕付き。
「リヴェット監督のパリとは、陰謀の周囲に広がる白夜の薄明に照らし出された現代都市の姿そのものだ」と語る映画評論家の大寺眞輔さんは、「私たちの生は常に抑圧され危機にさらされています。日常生活で忘れられがちなこの感覚をよみがえらせ、危機に立ち向かう想像力を養う表現手段こそが、フィルム・ノワールと呼ばれるジャンルの真の姿なのです」と話している。
5月14日は「獣人」(1938年、ジャン・ルノワール監督)、「探偵」(1984年、ジャン=リュック・ゴダール監督)を上映する。開催時間は各回とも18時~21時。入場料は一般1,200円。問合せは横浜日仏学院(TEL 045-201-1514)まで。
横浜日仏学院の佐野未帆さんは「フランスのフィルム・ノワール特集では、各回の上映後に映画評論家の大寺眞輔さんが講演会を行います。異なる3作品の鑑賞とあわせてお楽しみいただければ」と話す。
フランス政府の公式機関「日仏学院」は語学学校、文化センター、情報発信基地の要素をもつ「日本の中のフランス」として、美術館やギャラリー、近隣のレストラン、大学などをパートナーに、展覧会や講演会、映画の上映、ワインセミナー、料理教室などさまざまなイベントを内外で開催。横浜日仏学院(中区尾上町 5)の語学学校では、書籍・雑誌など約2,000点の所蔵資料をそろえ、20人の教師が60のクラスで授業を行っている。