三溪園(横浜市中区本牧三之谷58)で4月14日より、日本の古典園芸植物の桜草を集めた「第5回三溪園さくらそう展」が開催されている。
園内では、「横浜さくらそう会」の会員が日頃丹精こめて栽培した多種多様な「桜草」の鉢植え約150点を展示。期間中は毎日苗の販売を行うほか、会員から「桜草」の色や形・咲き方の違いや栽培方法について話を聞くことができる。
「桜草」は、花の形が桜に似ていることからつけられた名で、花菖蒲や朝顔などとともに江戸時代に人気を博した古典園芸植物のひとつ。花の色はビンク色を中心に紅色・純白色・紫色・紫紅色など。関東平野を流れる荒川から採種した野生の桜草を江戸時代の庭師たちが栽培したことに端を発し、その後も園芸家たちが実生や交配を重ね、愛らしく変化に富む新品種を産出。江戸時代に来日した医師・博物学者のシーボルトによりヨーロッパに紹介されたといわれる。
三溪園の広報担当の吉川利一さんは「江戸時代から愛好されてきた桜草は、鉢の上に咲く小さな花ですが、その種類は実にバラエティー豊か。花の色や形状など1点1点に見どころがあり、付けられた名前にも奥深さが感じられます。桜草のほかにも、園内にはヤマブキやシャガ、アセビ、フジ、ツツジと、これからはさまざまな花が目を楽しませてくれます。植物好きの方にはおすすめの季節です」と話す。
会場は中央広場特設展示小屋。開催時間は9時~16時30分(最終日は16時まで、開園時間は9時~17時)。苗販売は9時~16時(なくなり次第終了)。入園料は大人500円、65歳以上300円、小学生200円。入園料で鑑賞できる。開催は4月20日まで。