三溪園(横浜市中区本牧三之谷58)で4月29日から5月5日まで、「新緑の古建築公開」が行われる。
会期中は、園内の歴史的建造物2棟「臨春閣(りんしゅんかく)」(1649年建築)、「蓮華院(れんげいん)」(1917年建築)とともに内苑奥の渓谷遊歩道が開放され、さわやかな新緑の中で古建築と散策を楽しむことができる。
臨春閣は江戸時代初期、和歌山・紀ノ川沿いに建てられた紀州徳川家の別荘。室内には数寄屋の意匠を取り入れた書院造りの旧態が残されており、内部の各部屋からは三重塔など周辺の景色をたのしめる。
蓮華院は、大正時代に同園の創設者である原三溪が、「廃寺に残された荒れた一庵」という構想でつくり、愛用した茶室。内部の土間中央には、京都・宇治の平等院鳳凰堂の古材と伝えられる太い柱があり、これが同建物の主題と考えられている。蓮華院は、建物の外からの鑑賞のみ。
関連イベントとして、三溪園ガイドボランティアが「新緑のなごやか茶会」(5日)、新緑・花ツアー「三溪園のかくれた植物を知る」(3日~5日)を開催する。
三溪園 広報担当の吉川利一さんは「三溪園の数ある古建築の中でも、臨春閣は外観・内部ともに見応えがあります。ボランティアによる催しで、より深く三溪園を知っていただけると思います。さわやかな新緑が取り囲む三溪園で、日本の伝統文化に気軽に親しんでいただければ」と話す。
公開時間は9時~16時30分(開園時間は9時~17時)。入園料は大人500円、65歳以上300円、小学生200円。入園料で鑑賞できる。