三溪園が実業家・原三溪の住まいを限定公開-ザリガニつりも

横浜市指定有形文化財「鶴翔閣」倉前廊下

横浜市指定有形文化財「鶴翔閣」倉前廊下

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 実業家で茶人の原三溪によって作られた日本庭園「三溪園」(横浜市中区本牧三之谷58)で、8月12より「夏の古建築公開」が開催されている。

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 会期中は、三溪が壮年期・晩年期の住まいとして建てた2棟「鶴翔閣(かくしょうかく)」「白雲邸(はくうんてい)」(横浜市指定有形文化財)の内部を特別公開し、当時使われていた家具の展示や日替わりのワークショップを行う。

 鶴翔閣(1902建築)は、三溪が子供たちと暮らした延床面積約950平方メートルの近代和風建築で、その名称は鶴が飛翔(ひしょう)する姿を思わせる外観からとったと言われている。当時、横山大観や和辻哲郎など著名な画家や学者たちが出入りしていた。

 白雲邸(1920年建築)は、三溪が晩年期に夫人と過ごした隠居所として知られる数寄屋建築。内部は装飾性が抑えられた素朴な造りで、部屋は和風の中に洋風を取り入れた談話室や多種の銘木や螺鈿(らでん)があしらわれた三溪棚のある奥書院など。

 関連イベントとして、「鶴翔閣」茶の間棟では、「瓦の拓本をとってみよう」(12日)、初心者向け茶道講座「お茶会」(13日)、「わらで筆をつくってみよう」(14日)などを実施。そのほか、夏休みイベントとして、「ザリガニつり~生きものにふれてみよう」(12日から16日)を開催する。

 三溪園 広報担当の吉川利一さんは「横浜を舞台にした映画『コクリコ坂から』が上映中ですが、この中で主役の一人が古い建物を守る討論会で発言する印象的なシーンがあります。『古いものを壊すことは過去の記憶を捨てることと同じじゃないのか』、『人が生きて死んでいった記憶をないがしろにするということじゃないのか』。三溪園には、室町時代から現代まで生き抜いてきた三重塔など、貴重な建造物がたくさん点在しています。古建築公開は、こうした歴史的建造物やそれらを保存している三溪園の価値や魅力を知っていただくことを第一のねらいとしています。ぜひ多くの方に見学・参加をいただき、三溪園のファンになっていただければ」と話す。

 開園時間は9時~17時(入園は16時30分まで)。入園料は一般(中学生以上)500円、65歳以上300円、小学生200円。8月16日まで。

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