神奈川県警と横浜市は10月12日、横浜市開港記念会館講堂 (横浜市中区本町1)で「サイバー犯罪防止シンポジウム 2011 in Yokohama」を開催する。
NPO法人「NPO情報セキュリティフォーラム(ISEF)」(岡崎洋理事長、神奈川区)と共催。講演やパネルディスカッションを通して、インターネット上の有害コンテンツや犯罪目的でのネット使用の現状を理解し、安全で安心なネット利用とセキュリティ対策、情報コミュニケーションのあり方を考える。
同県警によると、「サイバー犯罪」はコンピュータや電気通信など情報技術を悪用した犯罪の総称で、不正アクセス禁止法違反(他人のID、パスワードを盗むなど)、コンピュータ・電磁的記録対象犯罪(データの改ざん・破壊など)、ネットワーク利用犯罪(ネットを介した児童買春やオークション詐欺など)の3つに分類される。2011年上半期(1~6月)、同県警がまとめた統計によるとサイバー犯罪の検挙件数は276件(前年比+54件、+24.3%)。不正アクセス禁止法違反が9件(前年比+6件、+200%)、コンピュータ又は電磁的記録を対象とした犯罪が3件(前年比±0件)、ネットワーク利用犯罪は264件(前年比+48件、+22.2%)となっている。
サイバー犯罪を防ぐには、個人や企業が情報セキュリティ対策を講じることが重要という観点から、県警はISEFと連携し、青少年や企業、地域団体などを対象に、広報啓発活動に取り組んできた。今回のシンポジウムもその一環。第1部では、情報セキュリティ大学院大学教授でネット社会の法制度と社会のあり方について詳しい湯淺墾道(ゆあさ・はるみち)さんが「安全・安心なサイバー社会の実現に向けて」をテーマに講演する。
第2部では、湯浅さんに加え、ネットカフェなどの経営者・法人などでつくる日本複合カフェ協会副会長の加藤博彦さん、ネット上の違法・有害情報の通報受付窓口で、警察の捜査とも連携している「インターネット・ホットラインセンター」の副センター長・吉川誠司さん、NTTドコモで、スマートコミュニケーションサービス部セキュリティ推進担当部長の柳澤隆治さん、神奈川県警サイバー犯罪対策センター所長の小林淳一さんが、犯罪の手口や被害の現状、社会背景や防止策などについてそれぞれの現場の知見をもとに議論を展開する。
同センターでは「インターネットを利用した犯罪が増加し社会的に問題となっている現在、シンポジウムの議論を通じ、地域のみなさんとともにンターネットの現状について問題意識を共有したい。さらに、今回の主題である『安全・安心なサイバー社会の実現』に欠かせないサイバー空間での規範意識を高めるきっかけを提供できたら」と話している。
開催時間は14時~16時30分。定員400人、参加費無料。問い合わせは神奈川県警サイバー犯罪対策センター代表(TEL 045-211-1212)まで。