パンタグラフ(横浜市神奈川区神奈川2)で12月2日から、メディアアーティスト・坂本のどかさんの個展「{( private ( ) public )}」が開催されている。
パンタグラフは、広告美術や立体アニメーションの制作を行うアーティストユニットで、1998年に共同アトリエ「studio BIG ART(スタジオ・ビッグアート)」として活動を開始。2007年に名称を「PANTOGRAPH」と改名し、立体造形工房、シェアアトリエ、撮影スタジオの運営を開始。アーティストやクリエーターが入居するビルの1階の撮影スタジオをギャラリーとして活用した展覧会は2008年の「ヨシタケシンスケ展」に続く2回目。
坂本のどかさんは石川県出身で、2010年に筑波大学大学院芸術専攻総合造形領域を修了。バスタブや石けん、排水溝など主に水回りのモチーフを用いた表現を探求し、「文化庁メディア芸術祭」やオーストリアのリンツで開催されているメディア芸術の祭典「アルスエレクトロニカ」など国内外のメディアアートイベントに出展している。
今回の個展では、大きなバスタブの作品を中心に、「ため息」の音と光がシンクロする照明の作品や、普段見慣れた生活用品をモチーフとした作品などを会場全体を使いインスタレーションとして展示。会場では、排水口のふたと色鉛筆を使いオリジナルコースターがつくれる参加型の作品展示や、展覧会記念販売作品として実際に使うことができる「脳みそ石鹸」(1,300円)の販売もしている。
会期中は、パンタグラフのスタジオの2軒隣にあるアトリエカフェ「喫茶コマドリ」にも作品を展示し、来場者にコーヒーや紅茶、クッキーなどを提供している。「喫茶コマドリ」は、寿司屋だった2階建ての建物をパンタグラフのメンバーらが改装中で、来春本格オープンの予定。
坂本さんは「生活の中で感じる自分の領域と人の領域、共有している領域について意識的に考えています。日常的に感じる些細な感覚、感情を手がかりに、時間や人間関係により流動的に変化していくパブリックとプライベートのあり方を表現したインスタレーションをぜひご覧ください」と話している。
開催期間は11日まで(会期中無休)で、開場時間は11時~19時(喫茶コマドリは13時~18時)。入場無料。10日17時からは、クロージングパーティーが開催される。