BankART Studio NYK(横浜市中区海岸通3)で1月7日より、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科の卒業・修了制作展「藝大先端2012」が開催される。
同展では、56人(学部4年、修士2年)の若いアーティストが独自の表現方法で、絵画、写真、立体、映像、小説、音、演劇、身体表現、インスタレーションなど多種多様な芸術表現を試みる。
作品は、「340m/sec」(木村泰平)、「Crystalize」(水島ゆめ)、「リビングルーム北本団地」(北澤潤)、「帰る場所」(潘逸舟)、「混成立体図」(有坂亜由夢)ほか。
出展作家のひとり、福島県郡山市出身の菊地裕貴さんは東日本大震災で被災し、以後、福島弁で福島県ゆかりの民話や作品を朗読する「福島さすけねProject」を立ち上げ、福島県の精神性、人と土地をつなぐ言葉を動画で配信している。今回は「故郷」をテーマに、人と言葉のつながりを軸にした作品を発表する。
15日の公開シンポジウムには、高山登さん(美術家)、八谷和彦さん(メディア・アーティスト)、鈴木理策さん(写真家)、イルコモンズ(現代美術家)、大友良英さん(音楽家)、高嶺格さん(美術家、演出家)、山川冬樹さん(ホーメイ歌手、アーティスト)が出演し、「10 MONTH AFTER 3.11」をテーマに語る。
卒業・修了制作展2012実行委員会 広報担当の中島麻未さんは「先端芸術表現科では、美術の分野を超えて、社会的な関係性の中で芸術の持つ意味そのものを『表現の問題』として問いかけ、私たちの生とその表出について提案と実践を続けてきました。この展覧会をかたちづくる要素の一つひとつが、大学という場を離れて社会の中で自らの表現の意義を問う学生たちの『現在』を示しています」と話す。
開催時間は11時30分~19時。入場無料。7日は17時よりオープニングパーティーを行う。1月15日まで。