横浜市中央図書館(横浜市西区老松町1)で、企画展示「面白横浜浮世絵展」が開催されている。
半農半漁の小さな村だった横浜が1859年に開港し、国際都市として日本中の注目を集めていく中、開港後の横浜の風景や風俗を描いた「横浜浮世絵」が幕末から明治にかけて数多く作成された。会期中は、同館が所蔵する横浜浮世絵の中から、双六(すごろく)・しりとり・どんたく・軽業(かるわざ)・見世物・横浜拳など、「遊び」をテーマにしたおもしろい浮世絵を紹介する。
作品は、1864年に「リズリーサーカス」一座が横浜の居留地で興行した様子を伝える「中天竺舶来之かるわざ 横浜の地に於ゐて興行之図」(芳虎、1864年)、5人描いた人間が10人に見えるおもちゃ絵「五人十身の働」(一鵬斎芳藤、1861年)、流行拳の替え歌で歌舞伎のパロディーになっている「ヨコ羽万けん 流行けん 向かへうた」(品川屋久助、1860年)など計16点。
同館がこれまで収集してきた横浜に関する貴重な資料をデジタル化し、キーワードや年表から検索できるようにしたデジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」でも、展示作品の浮世絵を閲覧することができる。
中央図書館 調査資料課の坪之内槙さんは「横浜浮世絵というと、にぎわう港の様子や外国人の生活文化を描いたものがまず思い浮かびますが、今回はこれまで展示する機会の少なかった題材を通して、新しい横浜浮世絵の魅力をお伝えしたいと思います。会場では、展示する浮世絵の図案を使って作成したパズルやクイズもお楽しみ頂けます」と話す。
会場は中央図書館1階展示コーナー。開館時間は、火曜~金曜=9時30分~20時30分、土曜・日曜・月曜・祝日=9時30分~17時。展示は1月23日まで。