横浜にぎわい座(横浜市中区野毛町3)で2月17日より20日まで、木ノ下歌舞伎による舞踊公演「三番叟/娘道成寺」が行われる。
木ノ下歌舞伎は、日本の伝統演劇「歌舞伎」を現代演劇として立ち上げる、木ノ下裕一さんと演出家・舞台美術家の杉原邦生さんによる団体。京都を中心に 2006年に旗揚げし、2010年より「京都×横浜プロジェクト」を立ち上げ、滞在型の作品制作に取り組み、都市間の交流を図りながら新作を発表している。
同公演「三番叟/娘道成寺」は、2008年に京都と東京で公演した木ノ下歌舞伎初の舞踊公演「三番叟/娘道成寺」の再演。杉原邦生さん演出の「三番叟(さんばそう)」と、きたまりさんのソロによる「娘道成寺(むすめどうじょうじ)」がコンテンポラリーダンス作品として蘇る。
企画・製作・主催は木ノ下歌舞伎。2月13日に開幕した「国際舞台芸術ミーティング in 横浜 (TPAM in Yokohama 2012)」の提携公演として行われる。
歌舞伎舞踊の「三番叟」は、能の翁を模した演目で、天下泰平や五穀豊穣を予祝し、翁、千歳、三番叟の順に三人が舞うという内容。能の「翁」で翁が主役であるのに対し、歌舞伎では三番叟を主役に据えている。出演者は、芦谷康介さん、京極朋彦さん、竹内英明さん。
振付家・ダンサーのきたまりさんが振付・演出・出演する「娘道成寺」の正式な外題は「京鹿子娘道成寺」。娘道成寺は能の「道成寺」同様、和歌山県の道成寺(安珍清姫)伝説を下敷きにしているが、舞台で繰り広げられるのは、その後日譚(ごじつたん)。鐘の中の男を執心のあまり焼き殺した女の亡霊が、白拍子に化けて、道成寺という場所に再来し、そこで己の過去の過ちを再現する。
全ステージ終演後はトークイベントを予定しており、17日のゲストは作曲家の野村誠さん。
主宰する木ノ下裕一さんは「初演から約4年ぶりの再演。初演では、演劇、ダンス、芸能研究と、それぞれ異なる分野に立つ創作者が、互いの共通言語を見つけ出すことに一番時間を割き、そこが刺激的でもあったが、今回はそれを踏まえて、より、2作品の相互関係を強化し、作品の強度を高めることに力を注ぎたい。それらは同時に、杉原邦生、きたまりの両演出者との演目との接合点、両アーティストが古典を新演出する必然をより掘り下げることにほかならない」とコメントしている。
会場は地下2階・のげシャーレ。公演時間は日程による。チケットは全席自由で、一般前売2,800円、学生前売2,300円。TPAMパス特典で1,000円。問い合わせは横浜にぎわい座(TEL 045-231-2525)まで。