神奈川近代文学館(横浜市中区山手町110)で8月11日から、童話作家・寺村輝夫さんの「ぼくは王さま」展が開催される。
寺村さんは東京都出身。1961年に「ぼくは王さま」で毎日出版文化賞受賞。1984年には「独特のナンセンステールズで子どもの文学の世界を広げた」功績により、青少年文化の功労者に与えられる巖谷小波文芸賞を受賞。代表作に「おしゃべりなたまごやき」、「ぼくは王さま」シリーズ、「かいぞくポケット」シリーズ、「わかったさん」シリーズなどがある。
「ぼくは王さま」シリーズは、架空の国の食いしん坊な王さまを主人公にした童話で、1956年の誕生以来、ナンセンス童話のロングセラーとして人気を博している。
今回の展覧会では、第1部で、絵本作家・和歌山静子さんによるカラフルな挿絵原画で「王さま」シリーズの物語世界を紹介。第2部では、寺村さんの少年時代や、アフリカ・動物・料理に寄せる思い、寺村さんがアフリカで撮影した写真を紹介。「こまったさん」「わかったさん」シリーズや「かいぞくポケット」などの人気シリーズの挿絵原画も公開される。
関連イベントとして、「花音」朗読コンサート(8月11日)、和歌山さんによる記念講演会(8月18日)、絵本作家の永井郁子さんが出演する「寺村輝夫・永井郁子のおはなし会」(8月25日)を実施。そのほか、子ども映画会やステンドグラス作り、影絵、紙芝居、かるた大会など、子どもを対象としたさまざまなイベントが予定されている。
県立神奈川文学館総務部の半田典子さんは「寺村さんの展示会として、かなり大規模なものになっています。子どもだけではなく、小さい頃に寺村作品が好きだったという大人の方にも楽しんでいただけると思います。また、子どもたちが遊ぶことが出来るように、会場入口には、原画を使用した畳サイズの巨大なパズルを用意。お絵かきコーナーも準備しますので、夏休みにぜひ足を運んでいただけたら」と話す。
会場は神奈川近代文学館 第2展示室。開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。同展観覧料は一般=400円、65歳以上・20歳未満および学生=200円、高校生=100円、中学生以下は入場無料。9月30日まで。