寿オルタナティブ・ネットワークは9月9日、中区・寿町で「歩く絵のパレード in 寿町」を開催する。
歩く絵のパレードは、絵描きとして活動する幸田千依さんが、寿町の地域の住人たちに「絵」をみてもらうために始めた企画。2011年に幸田さんが寿町での50日間の滞在制作を終え、寿町で絵を運んでいる際に、「絵が街中を歩く」新しいアイデアが生まれた。同パレードは、今年の2月に台湾・台北市、8月に宮城県石巻市で行っており、寿町での開催は初めて。
寿町は、隣接する扇町や松影町を含む約60,000平方メートル程度の地域で、日雇労働者のための「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所が100軒以上あり、東京の山谷、大阪の釜ヶ崎に並ぶ「三大寄せ場」の1つと言われている。
当日は、絵描きがそれぞれ制作した絵を手にもち「歩く絵」にふんしてちんどんやと共に寿町周辺を練り歩く。今回のパレードの様子は、インターネット放送「ユーストリーム」で配信する予定。視聴希望者には、事前に配信のURLとパスワードを渡す。パレードは15時30分スタート。出発場所など詳細は明らかにしない。
参加者は、浅井真至さん、洗川寿華さん、いしかわかずはるさん、加藤笑平さん、河本一満さん(寿オルタナティブ・ネットワーク)、幸田千依さん、柴田智明さん、清水総二さん、鈴木彩花さん、水川千春さん、ユミソンさん、渡邊聖子さん。
幸田さんは「寿の人たちにもっと絵をみせたい。おじさん達が美術館やギャラリーに来られないのなら、こちらから行けばいい。いつもと違う風景を発見してほしい」と話している。
寿オルタナティブ・ネットワークは、アーティストやクリエーターらで構成され、多様な立場の担い手が行う文化的な活動による町の活性化を目的として、活動拠点や各種催しの場づくり、ネットワーキング活動などを行っている。
寿町では、2008年からアートプロジェクト「KOTOBUKIクリエイティブアクション」が始動し、寿町を舞台・テーマとした作品の制作や、住人との対話や恊働をするプログラム、寿町周辺地区におけるアーティストの活動を目的とした滞在支援システムづくりなどが行われている。