横浜市経済局は11月14日、中区若葉町で活動するソーシャルビジネスの担い手の現場を視察し話を聞く、フィールドワークを開催する。
事業は、近年ますます複雑となる社会や地域が抱える課題に、ビジネスの手法で取り組む社会起業家をより多く輩出するための「ソーシャルビジネス普及事業」の一環。
12回目を迎える今回のテーマは「地域資源活用×クリエイティブ」。映画、アート、デザインといったキーワードで、地域活性を促している若葉町の事業者たちの活動現場を見学する。
当日は京急日の出町駅に集合し、関内の繁華街の雰囲気を見ながら若葉町へ移動。昔の映画館を再利用し、県内随一の名画座として運営している「シネマ・ジャック&ベティ」(横浜市中区若葉町3)支配人の梶原俊幸さん、地域に密着したユニークなプロジェクトやイベントを繰り広げているアートスペース「アートラボ・オーバ」(中区若葉町3)の蔭山ヅルさんとスズキクリさん、信用組合だった昭和のビルをリノベーションし、アーティストやクリエーターの交流拠点に作り変えた「nitehi works」(中区若葉町3)代表の稲吉稔さんの3人に話を聞く。
3カ所の視察の後には、創業70年の若葉町の仕出し屋「うお時」(中区若葉町2)の横浜の食材を使った地産地消仕出し弁当で昼食。「うお時」3代目の渡邉清高さんは、横浜市環境創造局の「地産地消新ビジネスモデル支援事業」の一環として、地域食材による弁当を開発・販売するほか、地産地消のポータルサイト「ヨコハマヤサイ」の編集長も務めている。最後に4人のトークも予定されている。
若葉町は第2次世界大戦後にアメリカ軍が接収し、軽飛行機用の滑走路が設置されていた。接収解除の後、隣の伊勢佐木町などとともに、飲食店や商店が並ぶ繁華街として栄えた。「天国と地獄」(黒澤明監督)、「私立探偵濱マイク」(林海象監督)など、数々の映画やドラマのロケ地にも使われており、横浜の昭和を感じさせるエリア。
最近、若葉町はタイや韓国、中国、台湾の料理店などが集まる多文化共生型のエリアとして知られ、2009年から毎年8月に住民参加の「よこはま若葉町多文化映画祭」と「横浜下町パラダイスまつり」が開催されている。今回の視察先は、いずれも若葉町のまちおこしイベントの企画、開催に深く関わっている。
フィールドワークの開催時間は11時~14時。参加費無料(資料・弁当代1,000円)。定員15人。詳細・申し込みは「ソーシャル・ポート・ヨコハマ」のポータルサイトで。