三溪園(横浜市中区本牧三之谷58)で、財団設立60周年記念「重要文化財建造物10棟一挙公開」が行われている。
三溪園は、日本庭園であるとともに、室町中期から昭和期までの、住宅や茶室から寺院・城郭にゆかりの建築まで、多彩な建物が見られる建築博物館としても知られている。今回は財団(三溪園保勝会)設立60周年を記念し、重要文化財指定の古建築10棟を公開する。
公開建造物は、寺院建築=旧燈明寺三重塔(室町時代、康正3・1457年)、旧燈明寺本堂(室町時代、康正3・1457年)、旧天瑞寺寿塔覆堂(桃山時代、天正19・1591年)、旧東慶寺仏殿(江戸時代、寛永11・1634年)、天授院(江戸時代、慶安4・1651年)。書院・数寄屋建築=臨春閣(江戸時代、慶安2・1649年)、聴秋閣(江戸時代、元和9・1623年)、月華殿(江戸時代、慶長8・1603年)、春草廬(江戸時代)。民家建築(合掌造り)=旧矢箆原家住宅(江戸時代)。旧天瑞寺寿塔覆堂・聴秋閣・春草廬は、外側からの内部観覧となる。
期間中は、建物と一体となった香りの演出を旧東慶寺仏殿と旧燈明寺本堂で実施するほか、6月15日と16日にアジサイの苗木のプレゼントも(各回先着75人)。
三溪園 広報担当の吉川利一さんは「四季折々の和の花が楽しめることで知られる三溪園ですが、多数の名建築が見られるところとしても国内有数を誇る施設。今回の催しでは、三溪園のこうした野外建築博物館としての魅力を再見して頂ければ」と話している。
公開時間は9時~16時30分(開園時間は9時~17時)。入園料は大人500円、65歳以上300円、小学生200円。入園料で鑑賞できる。6月16日まで。
財団法人 三溪園保勝会は1953年8月に設立。昨年8月に公益財団法人へ移行した。国民共有の文化遺産である重要文化財建造物等及び名勝庭園の保存・活用を通して、歴史及び文化の継承とその発展を図り、潤いある地域社会づくりに寄与するとともに、日本の文化を世界に発信することを目的としている。