KAAT 神奈川芸術劇場(横浜市中区山下町281)で9月28日と29日、音楽劇「それからのブンとフン」が上演される。
「それからのブンとフン」は、劇作家の井上ひさしさんが1975年に劇団テアトル・エコー(東京都渋谷区)に書き下ろした戯曲。初演は熊倉一雄さんの演出により、1975年1月から2月まで東京・恵比寿の同劇団の小劇場で上演された。
同作は、井上さん初の小説「ブンとフン」を自ら戯曲化し、戯曲オリジナルの後日談を書き加えたもの。安保闘争で激しく揺れる70年代の日本を鋭く批評したナンセンスコメディーの傑作と言われている。
企画・制作は、こまつ座(東京都台東区)とホリプロ(東京都目黒区)。演出は演出家の栗山民也さん。出演は、市村正親さん、小池栄子さん、新妻聖子さん、山西惇さん、久保酎吉さん、橋本じゅんさんほか。俳優生活40年を迎え、井上ひさし作品初出演の市村さんが主人公の作家フンを演じる。
KAAT神奈川芸術劇場広報営業課の久田絢子さんは「市村さんは『井上ひさし先生の分身のような作家の役を演じますが、日々、この役をやるために演劇の世界に入ってきたんだなあと感じている』というほどの意気込みで挑んでいるとのこと。軽やかで楽しい歌にあふれた、抱腹絶倒の音楽劇にご期待いただければ」と話している。
会場はKAAT神奈川芸術劇場 ホール。チケットはS席9,800円、ブンフンシート6,300円。公演スケジュールは日程による。問い合わせは神奈川芸術劇場(TEL 045-662-8866 :チケットかながわ)ほか。
井上さんは山形県出身の小説家・劇作家・放送作家。小説家としては、作品「ブンとフン」のほか、「吉里吉里人」(日本SF大賞受賞)や「手鎖心中」(直木賞受賞)などを執筆。ファンタジー、伝記、歴史劇と多様な形式を用い、市井の人々から歴史上の偉人まで、さまざまな人々の生をユーモアと風刺を交えて描いている。