横浜みなとみらいホール(横浜市西区みなとみらい2)で10月12日、オルガン・リサイタルコンサート「シネマ×パイプオルガン」が開催される。
5回目を迎える今年は、前半に大佛次郎没後40年記念事業として、嵐寛寿郎さん主演の名作「鞍馬天狗・恐怖時代」(1928年、活動弁士つき)を上映。原作者の大佛次郎(おさらぎ じろう)は横浜出身の作家で、代表作の「鞍馬天狗」は爆発的な人気を博し、たびたび映画化されている。中でも俳優の嵐寛寿郎さんが天狗を演じてからは、「鞍馬天狗といったら嵐寛」と言われるほどの当たり役となった。
後半は、支配者が労働者たちを使って作り上げた未来の都市メトロポリスを舞台にしたSF映画の金字塔「メトロポリス」(1926年、字幕つき)を上映する。
当日は、パリのノートルダム寺院、モントリオールのサン・ジョセフ礼拝堂など、無声映画の演奏者として世界で活躍しているピーター・クラシンスキーさんがオルガニストを務める。
「シネマ×パイプオルガン」は、語り手の「パイプオルガン」とともに昔懐かしい名作映画を鑑賞することができる、コンサートホールならではの「新しい映画の楽しみ方」を提案する年1回の企画コンサート。
同イベント担当者の横浜みなとみらいホールの白川美帆さんは「映画やその場の雰囲気に合わせて即興演奏されるため、二度と聴く事ができない、その時限りの演奏。リハーサルと本番でも音楽がちがう。レトロな味わいを持つ映画に、まさにその場で新たに紡ぎだされる音楽を重ね合わせるという、時空を越えたような特別な時間を映画価格でお楽しみいただけたら」と話している。
会場は横浜みなとみらいホール 大ホール。15時20分開場、16時開演。チケットは一般1,800円、学生1,500円。問い合わせは横浜みなとみらいホールチケットセンター(TEL 045-682-2000 )まで。
同ホールのパイプオルガンはアメリカのC.B.フィスク社製で、大ホール舞台正面に設置されている。愛称は「光」を意味する「ルーシー」。4,623本のパイプを備え、カモメや船の帆など横浜にちなんだモチーフが各所に施されている。