有隣堂 伊勢佐木町本店・別館2階(横浜市中区伊勢佐木町1)で10月19日、「第8回ビブリオバトルin有隣堂」「ビブリオバトル首都決戦2013予選会in有隣堂」が開催された。
ビブリオバトルとは、バトラーと呼ばれる発表者がおすすめの本を5分間のプレゼンテーションにより紹介し、「どの本が一番読みたくなったか」を基準に投票を行い、最多票を集めたものを「チャンプ本」とする対戦形式のイベント。本を介したコミュニケーションの場として注目を集めており、横浜でも居酒屋、古民家、書店などさまざまな場で開催されている。有隣堂では2012年2月より開催している。
今回は「横浜みなと映画祭」実行委員会との共同企画として、映画・横浜・Old&Newをテーマとした「第8回ビブリオバトルin有隣堂」と、学生を対象とした全国大会の予選会「ビブリオバトル首都決戦2013予選会in有隣堂」が行われた。
「第8回ビブリオバトルin有隣堂」には6人のバトラーが参加。運動生理学などを用いてバットマンを分析した「バットマンになる!」、横浜ベイスターズの歴史を描いた「4522敗の記録」、「クライマーズ・ハイ」、「横浜謎解き散歩」、「指輪物語」が紹介され、橋本晃子さんが紹介した大岡川で水上生活をしていた子供とかっぱの交流を描いた絵本「キミちゃんとかっぱのはなし」がチャンプ本に輝いた。
「ビブリオバトル首都決戦2013予選会in有隣堂」には4人のバトラーが参加。「裏最強土下座」「父の縁側、私の書斎」「三島由紀夫が復活する」「性とスーツ」の4冊が紹介され、宮本皐さんが紹介した美術史家のアン・ホランダーがファッションを社会・歴史・美術などさまざまな側面からひもといた「性とスーツ」がチャンプ本に輝いた。
地域と本の結びつきを語る人、自身の幼少時代の話を絡めて語る人、作品の特徴を指折り紹介する人、本の一節を読み上げる人など、それぞれの人柄や本の特徴に合わせたプレゼンが続いた。
主催の有隣堂経営企画本部の市川紀子さんは「自分にとって大切な本を紹介するために言葉を尽くすという体験を通して、言葉の力の大切さを感じていただけるとうれしい。また、本を介することで会話のハードルが下がり、人と人との結びつきが生まれてくる。ビブリオバトルが地域の交流の場になれば」と話している。
地域の読み聞かせ活動に関わっているという橋本さんは「新しい本を知ることが出来るのも楽しいけれど、相手の方の人柄や個性が伝わってくるのがおもしろい」。4年前にビブリオバトルを知り、大学ではビブリオバトルを主催しているという宮本さんは「バトルを通して本に興味を持ってもらえるのがうれしい。4年前からバトラーとして参加し、主催も経験している。人とのつながりも生まれる楽しいイベントなので、これからも続けていきたい」と話している。
宮本さんは今後11月9日に同会場で開催される地区決戦に参加する予定。また、ビブリオバトルは、11月4日に、さくらWORKS<関内>(中区相生町3)と、横浜市中央図書館(西区老松町1)でも開催される。