神奈川県立音楽堂(横浜市西区紅葉ケ丘9)で12月5日、「音楽堂建築見学会vol.5」が開催される。
神奈川県立音楽堂は1954年、公立施設としては日本初の本格的な音楽専用ホールとして開館。2014年に開館60周年を迎える。フランス人建築家ル・コルビュジエの弟子で日本モダニズム建築の旗手と言われた、建築家の前川國男がロンドンの芸術施設「ロイヤル・フェスティバル・ホール」をモデルに設計。ホールの壁面はすべて木で作られており、開館当時に「東洋一の響き」と称賛された。アコースティックな響きを特徴とし、クラシックコンサートのほか、舞踊、コーラスの発表の場など幅広く使用されている。
同イベントでは、建築の専門家を招いたレクチャー、ホール見学、ミニ・コンサートを通じて、新たな音楽堂の魅力を発信する。
当日は、建築史家の藤森照信さん(東京大学名誉教授)と松隈洋さん(京都工芸繊維大学教授)が登壇し、「戦後のモダニズム建築家とデザイナー」をテーマにレクチャーと対談を実施。見学会の参加者から事前募集した質問を交えながら、音楽堂の建築デザインの魅力や音響について語る。
そのほか、普段はなかなか入ることのできない、ホワイエ、バックステージ、舞台などを自由に見学できる「ホール見学」を実施。「木のホール」の音響体感ミニ・コンサートでは、ハープ奏者の吉野直子さんが、C.ドビュッシー「月の光~ベルガマスク組曲より~」、M.トゥルニエ「朝に 作品39」を演奏する。
神奈川県立音楽堂の伊藤由貴子館長は「音楽堂の魅力を再発見しようと、年に2回さまざまな専門家をお呼びして開催している人気企画。ホール見学では、ポイントごとに音楽堂にまつわるウンチクも披露する。この機会に音楽堂で建築通、音響通になっていただければ」と話している。
14時開場、15時開演。料金は1,500円。定員400人。問い合わせは神奈川県立音楽堂業務課(TEL 045-263-2567)まで。