KAAT 神奈川芸術劇場(横浜市中区山下町281)で、神奈川県民ホールギャラリー企画展「日常/オフレコ」が開催されている。
インスタレーション作品「サウンド・スフィア」より(八木良太さん)
同展では、「オフレコ」というテーマのもと、国内外で活動する5人の若手美術作家が、社会や環境、生活、人生の背後にあるさまざまな記録や記憶を独自の思考と手法で表現する。今年は神奈川県民ホールの改修工事に伴い、会場を移しての開催。
参加アーティストは、青田真也さん、安藤由佳子さん、梶岡俊幸さん、佐藤雅晴さん、八木良太さん。
作品は、グランドピアノを素材に黄金町高架下スタジオで滞在制作した「無題(Untitled)」(青田真也)、光の波動を感じる日本画インスタレーション「夜居」(梶岡俊幸)、東日本大震災で被災した蒲鉾(かまぼこ)工場のアニメーション「ダテマキ」(佐藤雅晴)、カセットテープを巻き付けた球体とスピーカーによるインスタレーション「サウンド・スフィア」(八木良太)など。
デュッセルドルフ在住の安藤さんは、新聞やカレンダーなど身近な素材を巧みに使用したコンセプチュアルな作品を制作している。今回はランダムプログラムで制御されたドアが開閉する「#29(ユニット29)」、宛名・住所の書いてある封筒を使った「KAATへの手紙」、日めくりカレンダーによる「notice」の3つのインスタレーション作品を展示。
安藤さんは「作品『#29』は、家でふっと人の気配を感じるような静かなインスタレーション、『KAATへの手紙』にはオフレコされた気持ちを込めている。私のアート作品を通して、自分の周囲やプライベートな人間関係を捉える、新たな見方を感じてもらえたら」と話している。
関連イベントとして、宮内康乃さん主宰の音楽グループ「つむぎね」による新作パフォーマンス公演「さく」(1月17日・18日)、劇団チェルフィッチュ主宰・岡田利規さんのトークイベント(1月19日)なども行う。
会場はKAAT 神奈川芸術劇場・中スタジオ。開催時間は10時~18時(入場は閉場30分前まで)。入場料は一般=600円、学生・65歳以上=500円、高校生以下無料。1月30日まで。