家庭や学校以外の若者の「居場所」について、現場の実践者や研究者らで考える「子ども・若者居場所研究会」は1月24日、簡易宿泊所が集まる横浜市中区の寿地区のアルコール依存症者支援など、多彩な活動に関わった村田由夫さん(現・NPO法人「寿クリーンセンター」理事長、大倉山保育園園長)を招き、横浜市立大学金沢八景キャンパス(金沢区瀬戸22)で、トークイベント「『良くしようとするのはやめた方がよい』~出版から22年、村田由夫が語るの現在」を開催する。
村田さんは、1968年に寿福祉センターに着任し、以来住民の相談業務に携わってきた。特に、アルコール依存症が多い寿地区で、患者同士が語り合う「AA(アルコホリック・アノニマス)」と呼ばれる自助活動を取り入れ、「寿のアルコール依存症支援を抜本的に変えた」と言われている。
また、地区内の不登校児童・生徒らが集う居場所「豆の木がっこう」を立ち上げて世話人を務めたり、障害者の就労の場であるNPO法人の運営したりと、この地区に暮らす多様な住民を見つめ続けてきた。
今回のイベントは、1998年に村田さんのインタビューをまとめて出版された「良くしようとするのはやめたほうがよい~ドヤ街から、アルコール依存や登校拒否を通して『生き方』を考える」(発行・寿青年連絡会議清算事業団、豆の木がっこうを育てる会)を読んだ読者や、編集・インタビューを担当した研究会メンバーの石井淳一さん(ことぶき青少年広場運営副委員長)らが企画した。
石井さんは「わたしたちは最近よく『子どもに居場所がある地域社会というのは、大人にとっても居場所のある地域社会である』というようなことを話している。つまり『子どもの居場所』を考えると言うことは『人間の居場所』を考えるということ。良くしようとする行為がコントロールにつながっていくことや、それが他者に与える影響などを、2014年のいま、村田さんとともに考える機会にしたい」と話している。
イベントは、NPO法人「横浜コミュニティデザイン・ラボ」(中区相生町3)が共催し「ラボ図書環オーサートーク」の一環として行われる。カンパ制。開催時間は18時30分~20時30分(18時開場)。問いあわせ・申し込みはフェイスブックイベントページから。