BankART Studio NYK(横浜市中区海岸通3)で、田中信太郎さん・岡崎乾二郎さん・中原浩大さんの合同個展「かたちの発語展」が開催されている。
原口典之展(2009年)、朝倉摂展(2010年)、川俣正展(2012年)に引き続き、2,400平方メートルの会場全体を使った大規模な個展シリーズの第4弾となる同展。日本を代表するアーティストの3人が「かたち」に焦点を当てた新旧作品計45点を展示する。
田中さんは、1940年東京生まれ。1959年より「読売アンデパンダン展」に出品。1960年「ネオダダイズムオルガナイザーズ」参加。パリ・ビエンナーレ(1969年)、サンパウロ・ビエンナーレ(1971年)、ベニス・ビエンナーレ(1972年)など国際展への出品多数。日本初のインスタレーション作品を発表するなど独自の活動を続け、デザイナーや建築業界にも影響を与えている。近年は越後妻有アートトリエンナーレ(新潟県十日町市)への出品や、国立国際美術館(大阪府大阪市)での回顧展(2003年)なども行っている。
岡崎さんは、1955年東京生まれ。1982年のパリ・ビエンナーレ招聘以来、数多くの国際展に出品。発泡スチロールの小さなレリーフから、ポリプロピレンを用いた不定形の彫刻やパッチワーク形式の大きな平面作品、建築作品、論評など、多様なジャンルで先鋭的な芸術活動を展開している。2002年、セゾン現代美術館(長野県北佐久郡)にて個展「Art Today 2002」を開催。同年「ヴェネツィア・ビエンナーレ第8回建築展」で日本館ディレクターを務める。著書に「ルネサンス 経験の条件」(文春学藝ライブラリー)など。
中原さんは、1961年岡山生まれ。京都市立芸術大学彫刻科教授。粘土やレゴを使った巨大な彫刻、絵画、映像、パフォーマンス、インスタレーションなど多岐に渡る表現方法を用い、彫刻の概念の拡張をはかってきた。また、個人での作品制作のほか、共同研究・プロジェクトなどにも積極的に携わる。2013年、岡山県立美術館で回顧展「中原浩大 自己模倣」を開催。
展覧会初日の4月25日に開催されたオープニングパーティーで、田中さんは「コンクリートの空間での体験がないのでイメージ通りに伝達できるか不安があったが、なんとか歳を取っても展覧会をできることが本当に嬉しい」、岡崎さんは「自分の言葉を初めて受け取るような不思議な気持ちになった」と挨拶。主催するBankART1929代表の池田修さんは「形だけでわくわくしたり幸せにさせてくれる作品が一堂に会している」と話した。
開催時間は11時~19時。観覧料は一般=1,200円、学生=800円。カタログは3冊各2,000円。6月22日まで。